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映像ジャーナリスト 鍋 潤太郎の随筆による、ハリウッドVFX情報をいち早くお届けします。

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oscar2008.JPG米バラエティ誌が7月8日に伝えたところによれば、アカデミー賞を主宰する米国映画芸術科学アカデミー(以降、「アカデミー財団」と記述)は、成長の一途をたどるVFX部門に対応する為、次回のアカデミー賞よりVFX部門のノミネート枠を現行の3作品から5作品に拡大するとアナウンスした。

アカデミー財団では、各部門の委員が授賞式開催ルールの見直しや改善を毎年行っており、ボードメンバーの承認が得られれば変更が可能という、極めて柔軟な姿勢を取っているという。

ご存知のように、今年から作品賞のノミネート枠が5本から10本に拡大された事もあり、ノミネート枠が5本以下というカテゴリは少数派となった。しかも、現行の開催ルールはVFXが今のようにメジャーになる前に設定されたものだ。

そう言った実情を鑑み、アカデミー賞VFX部門の委員からの改善要望に対し、アカデミー財団が応えた形となる。

VFX部門の選考方法自体への変更はなく、まず最初に15本のノミネート候補作品が従来通りアナウンスされ、VFX部門のエグゼクティブ・コミッティーがここから7作品をプレゼンテーション&試写会である、かの有名な「ベイクオフ」※の為に選ぶ。

※「ベイクオフ」の詳細については、こちらをご参照あれ。

そして「ベイクオフ」会場においてVFX部門の会員によって投票が行われ、次回からは5本がノミネート作品として残り、発表される。

最終的に、5本のノミネート作品の中から、アカデミー財団の全会員の投票によって1本が選出され、アカデミー賞を受賞する事になる。

今年1月に筆者がレポートしたように、今年の第82回アカデミー賞VFX部門は、過去に類を見ない程の超激戦であった。

1月21日(木)、ビバリーヒルズにあるアカデミー財団のAcademy's Goldwyn Theaterで開催された「ベイクオフ」は筆者も聴講したが、この時のプレゼンでは話題作&大作が7本が名を連ねた。

どの作品がノミネートされても不思議ではなく、この中からたった3本を選出するのは至難の業だと痛感した程である。

VFX主導の映画作品は、ボックス・オフィスの売り上げに大きく貢献し、オスカー像をもたらす事で各映画スタジオの名を高めているが、そのVFX制作に深く関わっている米視覚効果協会(VES)や、ILMを含む複数の大手VFX制作スタジオは、今回の変更を好意的に受け止めているという。

VESのエグゼクティブ・プロデューサーであるエリック・ロス氏は「VFXがエンターテイメント業界の中で、一定の地位が認められたという証でしょう」と感慨深げに語った。

また大手VFXスタジオであるソニー・ピクチャーズ・イメージワークスのヘッド・オブ・プロダクション、デビー・デニス氏は「VFX技術の進歩は、以前は大きな壁として立ちふさがっていた『表現の限界』を取り払い、映像表現の可能性を大きく広げました」というコメントを発表している。

アカデミー財団にとって「悩みの種」として未解決なのは、ノミネート作品を増やすと、授賞式のステージでそれを読み上げる時間分、放送時間が圧迫される事。文字通り"秒刻み"で進行する授賞式中継の舞台裏では、これが意外にも深刻な問題となるらしい。

その反面、VFXノミネートを更に2作品追加する事によって、作品賞のノミネート作品と関連づける事が出来たり、人気作品を更にもう2本紹介出来する等の利点もあるという。

いづれにせよ、ノミネートのチャンスが広がるというのは、筆者のようにハリウッドのVFX業界で働く人間にとってはモチベーションUPに繋がる嬉しいニュースである。

次回の第83回アカデミー賞は、来年2月27日にハリウッドのコダック・シアターでの開催が予定されている。


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~第12回釜山国際学生アニメーションフェスティバル(PISAF2010)が広く作品を募集~


 
PISAF.jpg今年11月5日から9日まで開催される第12回釜山国際学生アニメーションフェスティバルPISAF2010(The 12th Puchon International Student Animation Festival)が、現在世界中から広く作品を募集している。もちろん、日本からも応募が可能だ。

PISAFは、アジアで最も成功している国際アニメーション・フェスティバルとしても知られ、1999年に設立されて以来10年以上の歴史を誇る。

「学生オリエンテッド」というユニークな方向性を貫きつつ、上映作品の水準の高さでも定評がある。

PISAFは世界中の学生を対象に、デジタル&伝統的なアニメーション分野での優れた人材や未来のリーダーを発掘するのが狙いだ。

開催期間中には、招待作品の上映、マスター・クラス等の特別プログラム、教育コンベンション、展示会などが含まれている。

同フェスティバルのオフィシャル言語は韓国語と英語で、オフィシャルサイトも韓英の2ヶ国語となっている。

このような著名な国際的な学生フェスティバルに作品が入選すれば、強力な実績となる他、将来海外へ出て仕事をする際も、受賞歴は就労ビザの取得に極めて大きなアドバンテージとなる事は間違いない。

学生諸君は、是非振るって応募してみると良いだろう。

エントリー締め切りは9月10日。

詳細はコチラを: http://www.pisaf.or.kr/


 

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