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映像ジャーナリスト 鍋 潤太郎の随筆による、ハリウッドVFX情報をいち早くお届けします。

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インターネットの恩恵により、CGソフトウエア習得の為のチュートリアル・コンテンツは、自宅に居ながらにして幅広く手に入るようになった。

ハリウッドでは、多くの企業がDVDやムービー・ファイル等のチュートリアル・コンテンツを提供・販売しており、基礎や自分が強化したいジャンルを、好きな時に、好きなだけ、自習出来るようになった。

しかし、我々日本人に取って、どうしても避けられないのが「英語」の問題であろう。

今、この記事を読んでいるアナタも、海外のチュートリアル・コンテンツを再生して「ああ、日本語字幕や、日本語吹き替え版があったら、もうちょっと理解が楽なのになぁ」と苦笑いをした経験が少なからずある事だろう。


[画像:今泉隼介氏]

24163070.jpgこの点に着目したのが、ハリウッドのZoic Studioで3Dアーティストとして活躍する、今泉隼介氏だ。

氏はCGワールド誌2006年7月号「ボーディングパス」にもご登場頂いた事があるので、ご存知の方もおられる
事だろう。(氏のインタビューは、現在発売中の書籍「海外で働く映像クリエイター / ハリウッドを支える日本人」(ボーンデジタル刊)で読む事が出来る)

今泉氏は休暇で帰国した折、多くの人から「日本はノウハウが全然足りない」「ハリウッドの5年前の技術に追いつくのがやっとだ」「最新の情報を調べようにも、専門的な部分では日本国内にその供給元がない」という現場の声を聞いた。

アメリカでは、GnomonやDigital Tutorsを始め、初心者から現場で即使えるテクニックまで、最新の情報を広く提供しているVFXチュートリアルコンテンツを手に入れる事が出来る。しかし、その全てが英語だ。

そこで、今泉氏はパートナーである石丸敦之氏と共に、ハリウッドで広く流通しているチュートリアルコンテンツを和訳し、日本のアーティスト向けに供給するベンチャー起業「エーコンビー・コミュニケーションズ」(Acombee Communications)
を設立した。

現在はまだ準備段階だが、既に複数の企業と交渉を開始し、質の高いチュートリアルを日本語で提供する事を目指しているという。

現在、エーコンビー・コミュニケーションズは、これらのチュートリアル日本語化事業の実現の為、日本のアーティストの方々の署名/アンケートを、下記のとおり募っている。

「皆様のご協力で、ニーズの高いチュートリアル・コンテンツの日本語化を、是非実現して行きたいと考えております」と今泉氏は語る。「現段階では、この署名/アンケートがチュートリアルの実現を確約するものではありませんが、皆様の『欲しい!』 『興味がある』の一声が、私共の後押しとなります。ぜひ、ご協力ください。」

署名/アンケート(下記)は2010年1月15日まで受け付けているという。

ハリウッド直送の日本語チュートリアル・コンテンツを欲しいと思う方は、是非ご賛同あれ。

 


 

   過去記事はこちらからどうぞ 全目次
 



上記のコラムは、このサイト向けに書かれたオリジナル・コラムです。

著者に無断での転載、引用は固くご遠慮下さいますよう、
お願い申し上げます。

転載や引用をご希望の方は、お問い合わせページ
よりご連絡下さいませ。

(C)1997-2009 All rights reserved  鍋 潤太郎 

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先日、読者の方から、下記のようなご質問を頂きました。大変興味深い内容ですので、今回のコラムでは、ちょっとご紹介してみましょう。

ご質問:

 海外のVFXスタジオでは、WEB上でデモリールを公表していますが、デモリールに著名な俳優や女優が映っているのを良く見かけます。

 日本国内の事例では、VFXショットに俳優さんや女優さんが映っていると、所属事務所などからデモリールへの使用にOKが出ない場合が多く、いつも歯痒い思いをしています。

 特に、映画のVFXでは、オイシイ所には必ずと言って良い程、俳優さんや女優さんが映っている事が多く、会社のデモリールに使用する事が困難な場合が多々あります。

 ハリウッドのVFXスタジオでは、デモリールを作る際、どのように許可を取っているのでしょうか?


ご回答:

 さっそく、とあるVFXスタジオのPR担当者さんに伺ってみました。すると、このような返事が帰ってきました。

 「それは、大変良い質問です。(←アメリカ人は、答えに困ると、とりあえずこう答える習性があります)

  弊社では、映画スタジオとの契約内容を厳守しながら、非常に注意深くデモリールを構成するように心掛けています。

  殆どの場合、映画スタジオからは「会社のプロモーション(company promotion)に限定した使用のみ許可、それ以外の如何なる用途での使用も一切禁止」という条件で、使用許可が出ます。

  実際に"映画会社と俳優達との間でどのような契約が交わされているのか"に関しては、残念ながら私には分かりません。」


 …という事でございました。
 
 
 さて、下記は筆者が見聞きした範囲の、あくまでも「憶測」ですが、

  ・デモリールに映像を使用する場合、エフェクト・ハウスのPR担当者がその都度、映画スタジオに許可を申請しているようです。
 
  ・おそらく、俳優が含まれている画像は、映画スタジオが指定する「プロモーション」の範囲であれば使用可能という契約が、映画会社と俳優との間で、事前に締結されているのだと思われます。
 
  ・プロモーションの条件の細部は、各映画や作品によって契約内容が異なると思います。

  ・特に、公開前の作品については、かなりの制限が伴います。例えば「映画スタジオ側が用意した静止画のみ使用可能」、のように、制限付で許可が出る場合もあります。また「A月B日まで、如何なる画像や、メーキング関連情報の露出を禁止」という場合もあります。
 
  ・ただ、これまでVFX業界内部や、VES等のコンファレンスで、俳優が映っている映像に関するトラブルというのは耳にした事がありません。おそらく前述のように、(映画スタジオ←→俳優)間で契約書にサインする段階で、それらが契約に盛り込まれている為ではないか考えられます。

  ・これらを含めて、映画スタジオが「作品に関する全ての権限を握っている」という印象を受けます。
 
  ・そういえば、業界向けの試写会やメーキング講演会の時、冒頭で「今日の試写会での上映を快く許可してくださった○○○映画の皆様、ありがとうございました」というお礼のコメントが入る事もあります。このように試写1つにしても、映画スタジオに許可を貰わなければならないようです。

  ・逆に言えば、基本的に映画スタジオを通せば「プロモーション目的」での使用や、「業界向け試写会」での許可はクリアされる、という仕組みになっているように思います。
 
  ・これらは、営利が直接的に絡まない(映画会社や俳優に損害が出ない)為かもしれません。逆にDVD販売やネット配信等の2次利用で営利が絡む場合は、頻繁に裁判のネタになっております。
 

…以上、ご参考くださいませ。
 

本欄では、読者の皆様からご質問があれば、「可能な範囲※」でお答えしていきたいと思います。
もし何かご質問がございましたら、「お問い合わせ」からメールをお送りください。

※お返事には、日数を要する場合もございます。
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※当サイト内で述べられている楽しい駄洒落や高度な自爆ネタは、アメリカ合衆国著作権法の基に厳重に保護されていません。著者に無断で駄洒落を流用したり、講演、放送、宴会等で自爆する事は、原則として推奨されています。頑張ってください。


 

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上記コラムは、当サイト用に随筆したオリジナル・コラムです。

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