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[LAにあるメイド喫茶も、日本から"輸入"されたものだ]
アメリカには、毎年多くの日本人ツアーが、コンベンション視察に訪れている。
我々の業界で言えば、NAB、GDC、E3、そしてシーグラフ等がその顕著な例だろう。
筆者も日本にいた頃は、毎年シーグラフへ行くのが何よりも楽しみであった。
それと同じように、ここアメリカでも、日本へ行くのが何よりも楽しみな人達がいるようだ。
今朝、筆者の元に下記↓↓↓のような英文メールが届いた。これを読んで思わず笑ってしまったのだが、その内容を、筆者の意訳により「さっくり」とご紹介してみる事にしよう。
君はOtaku(注:オタクの事)か?
もしくは単なるアニメ・ファンだろうか?
我々は、東京国際アニメフェア2010の視察ツアーを企画した。
さぁ、みんなで最も大規模な日本のアニメ業界のイベントを観に行こう。
この春&夏に日本で始まる最新アニメ・プロジェクトやシリーズモノの青田買いをしよう。
このツアーには、オタク・カルチャーの聖地である、シティ・オブ・秋葉原の視察も、もちろん含まれているぞ。
そして中野ブロードウェイ、ジブリ美術館の訪問に加え、ディナーはなんと、
コスプレ・カフェ(注:メイド喫茶の事だろうか?)という豪華な特典付きだ。
桜の下でのピクニック(注:お花見の事だと推察される)、アニメーション・スタジオの見学、そして他にも盛り沢山だ。
このツアーは全9日間。3月24日~4月1日まで。ツアー代金は1985ドルで、これにはロサンゼルス~東京の往復チケット、宿泊費、コスプレ・レストランでのディナー代、移動費、同行するバイリンガル通訳、訪問地の入場料、このツアーのすべてを網羅したカスタム・ガイドブック等が含まれているぞ。
また、自分自身のプランで自由行動したいという行動派の君には、1360ドルの自由行動プランも用意されている。この価格は、過去に目にした事が無いような超~低価格でのご奉仕。
オプショナルツアーとして、港の横浜、歴史を誇る鎌倉への訪問も用意されている。
参加したい方は、2月23日までに申し込むべし!
2月1日までにお申し込みの方には、もれなく3冊のManga本がついてくる。
セレクションは下記サイトから選ぶ事が出来る。
http://www.dmpbooks.com/ (shonen and shojo manga)
http://www.dokidokibooks.com/ (shojo and yaoi manga)
http://www.junemanga.com/ (yaoi manga)
…というものであった。
我々日本人がハリウッドを視察し、VFXスタジオ見学をするワクワク度に近い興奮が、この文面から伝わってきた。
ちなみに、筆者の同僚のアメリカ人にこのメールを転送し、「興味があるか」どうか聞いてみた。
彼曰く、
「……日本へは是非行ってみたい。でも、"普通の"ツアーで行きたい」
という返事が帰ってきた(大爆笑)
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さて、そんなこんなで思った事がある。
折りしも映画「アバター」が大ヒット中だ。ジェームズ・キャメロン監督の次回作は、2011年に公開が予定されている映画「Battle Angel」だが、この作品は木城ゆきと氏のSFアクション漫画「銃夢(ガンム)」だという。
このように日本のサブカルチャーや、日本の作品に対する興味が集中する中、ハリウッドではVFXプロジェクトの海外流出が「流行」しているにも関わらず、日本は相変わらずその矛先には入っていない。
オーストラリア政府やカナダ政府は、ハリウッド映画のVFX受注に対し税優遇策等を打ち出し、積極的にプロジェクトやVFXスタジオ誘致を行っているが、日本政府にはそのような動きは未だ見受けられない。
日本のVFXスタジオが、ハリウッド映画のVFX作業を日常的に受注出来るようになるのは、いつの日になるだろうか。
その為にはどうすれば良いのか、相棒の溝口稔和氏と思案している筆者であった。
関連記事:
VES主催 第1回 先進VFXスタジオ首脳会議が開催される(01/09/2010)
LAのメイド喫茶に出撃(08/24/2008)
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信頼出来る消息筋によると、Sony Picturesが撮影準備を進めていた「スパイダーマン4」が、監督の交代劇により、脚本も含めゼロから全部仕切り直す事になったという。
これまで、前3部作をヒットさせたサム・ライミ監督が4作目の制作準備を進めてきたが、ハリウッドでたまに発生し、しかも最もやっかいな問題の1つとして知られる"creative difference"(クリエイティブ面での相違)が原因として、残念ながら降板する事になってしまった。
[画像:LAはカルバーシティにあるSony Pictures本社 (筆者撮影)]
この撮影は2月からスタートする予定で、筆者もSony Picturesの映画スタジオに組まれていた一部セットを見る機会があったが、それも取り壊される事になる。
代わりに白羽の矢が立ったのが、映画「(500)日のサマー」のマーク・ウェブ監督。
しかし、キャストは完全に一新され、ストーリーも「高校生が主人公」という新しいタイムラインに変更し、新たに3部作として制作するらしい。
俳優トビー・マグワイアのスパイダーマンが、もう観れないと思うと少々残念である。
(女優ローズマリー・ハリスが演じるメイおばさんとか、味があって好きだったのにな~)
…さて、これだけでレポートが終わってしまうと、単なるタブロイド記事になってしまい、大阪の読者の方からツッコミが入るかもしれないので、VFXの話題にも触れておく事にしよう。
VFXが絡む大作でこういう問題が起こると困るのは、この作品のVFXを担当する予定だったエフェクト・ハウスや、このプロジェクトをあてにしていたフリーランス・アーティストの方々であろう。
当初のプランでは来年5月の公開予定だったので、VFXを含むポスト・プロダクションは今年初夏位から本格始動の予定だった事だろう。
エフェクト・ハウスやフリーランサー達も、それを意識してスケジュールを組んでいた事が推察される。
しかし、新しいスケジュールでは、映画の公開は2012年の夏という事になっている。
ポスプロの開始時期はここからラフに逆算すると、早くてもせいぜい2011年の秋位だ。つまり、丸1年空いてしまった事になる。
今回のこの空白が、新たなレイオフやVFXスタジオ閉鎖に結びつかないか、心配する今日この頃である。
ちなみに、過去に映画プロジェクトの仕切り直しが影響し、閉鎖になったVFXスタジオには、映画「スーパーマン リターンズ」の監督交代劇が影響して閉鎖になったESCの例がある。
関連記事:
ESCが159人の社員をレイオフ(07/20/2004)
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