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著者注:2006年当時の記事です。以降「Toy Story3」は仕切り直し、2008年現在、ピクサーにて2010年の公開をめざし、制作が進められています。
筆者が映像新聞2006年2月20日号でもお伝えしたように、米ウォルト・ディズニー・カンパニー(以下ディズニー)はサンフランシスコのピクサー・アニメーション・スタジオの買収を1月24日に発表、ディズニー・フィーチャー・アニメーション内で製作準備が進められていたフルCG長編映画「Toy Story3」の製作が、一旦白紙の状態に戻されたが、このプロジェクトで採用されたスタッフ達の一部レイオフが始まってる。
元々、ディズニー・フィーチャー・アニメーションでは、昨年から2008年の公開をめざして「Toy Story3」の製作準備を進めており、国際的な規模で人材募集活動を展開してきた。
しかし、今年1月のピクサーの買収。「社外から見ると、ピクサーがディズニーに完全に吸収されたように見えますが、実際はそうではなく、ピクサーの立場や権限は非常に大きく尊重される形となっています」とCGアニメーターの1人は語る。
制作現場の最高責任者に就任したジョン・ラセター氏は、スタジオ内で企画中&進行中の多くの作品にも、大きな影響力を持つ存在となった。「Toy Story3」の中止もその一環だ。ピクサー抜きで製作が進められる事になっていた同プロジェクトの中止は、その意味では自然な流れと言えるだろう。
今回実施されるレイオフは小規模で、数は数十人程度だという。また、実際に解雇されるまでには2ケ月の猶予が与えられている(アメリカでは通常2週間前告知が一般的)との事で、「かなり配慮の行き届いたレイオフ」との事だ。
しかし、それでも現実は厳しい。レイオフ対象者の中には、イギリスで自宅を売って渡米してきたベテラン・スタッフもおり、これからどうするか考えあぐねているという。
幸い多くの「元TY3」スタッフは、他のプロジェクトにアサインされ現在も仕事を続けているが、運悪くレイオフになってしまった人は、今月末をメドに退職を迫られる事になる。
世界のエンターテイメントの中心ハリウッドと言えども、夢のような話ばかりではない、という厳しい現実を見せつけられたように思う出来事である。
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(C)1998-2009 All rights reserved 鍋 潤太郎
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新作フルCG映画「Happy Feet」の全米公開(11月17日)に先立ち、サンフランシスコ・フィルム・ソサエティ主催による試写会が11月7日夜、開催された。
サンフランシスコ・フィルム・ソサエティは、サンフランシスコ国際映画祭などを運営する非営利団体。ロサンゼルスに次いで映像関連企業やエフェクト・ハウスが多いベイ・エリアでの映画産業の発展に寄与している。
この日の試写会は、サンフランシスコのジャパン・タウンにある映画館「カブキ・シアター」において開催された。ベイ・エリアの映画関係者が招待され、ジョージ・ミラー監督も出席。試写会の後に行われた質疑応答では、監督による製作秘話が披露された。
ジョージ・ミラー監督は「トワイライト・ゾーン」(1983)のエピソード4や「マッド・マックス」(1979)の監督として有名だが、「ベイブ」(1995)のプロデューサーとしても知られている。
さて、このフルCG映画「Happy Feet」は、ペンギンが主人公の"ほのぼの系"ファミリー映画である。
CG製作は、その大部分をオーストラリアのエフェクト・ハウスであるアニマル・ロジックが担当。しかし、膨大なCGショット数をすべて裁くには限界がある為、ロサンゼルスのリズム&ヒューズ、サンフランシスコのジャイアント・キラー・ロボットなど複数の著名エフェクト・ハウスが応援で製作に携わっている。
日本人アーティストも参加しており、リズム&ヒューズの岡野秀樹氏、ジャイアント・キラー・ロボットの大塚俊秦氏らがその腕を振るっている。
ちなみにこの作品は本来、アイマックス・シアターでの3D立体上映も予定されていたが、いざ実製作が始まってみると予想以上にプロダクションの負荷が大きく、今回は3D化が断念された経緯がある。
ではここで、この日の試写会の後に行われたジョージ・ミラー監督による質疑応答でのコメントを、要約してご紹介したいと思う。
○プロダクションには丸2年近くを費やした。3年前に、主人公であるペンギン
のマンブルがタップダンスを踊るテスト映像を作り、そこから全てが始まった。
○そもそも8年程前、イギリスのBBCとナショナル ジオグラフィックが製作
したペンギンのドキュメンタリー作品を観て、インスパイヤーを受けた。
○その関係から、ここでハッキリ言っておきたいのは、我々は「Happy Feet」を、
他の某ペンギンCG映画(=「SURF'S UP」)よりもぜんぜん前から
既にスタートしていた、という事だ。(場内から笑いが漏れる)
○アイデア自体はかなり昔から練っていたが、「ロード・オブ・ザ・リング」で
ゴラムに使用されたモーション・キャプチャー技術の紹介を見た時、
「これでペンギンにタップ・ダンスをさせる事が実現出来る」と確信した。
○しかし、私が作りたいのはリアルな人間ではなく、かわいく踊る、リアル
なペンギンだった。そこが今回のチャレンジとなった。
○2005年に大ヒットした皇帝ペンギンのドキュメンタリー映画
「March of the Penguins」からは、学ぶ事が多く、製作上かなりの助けとなった。
○今回の作品には、とにかく膨大な数のCGペンギンが登場する。しかし、その中
でも、主人公のマンブルは観客に一目で分るようにしたかった。その為、
キャラクターのデザインやデベロップには神経を配り、時間を掛けた。
○余談だが、みなさんはペンギンの色がなぜ白と黒なのかを知っているだろうか?
それはペンギンが海中を泳ぐ時、上空から見ると海面と保護色になり、
海中から見ると空の明るい色と保護色になり、それが敵から身を守る
事になるのだそうだ。自然の力は偉大だ。
○この作品は、世界20ケ国で吹き替えられ、上映される予定だ。
米国のオリジナル版では、コミカルな脇役の小型ペンギン達の声を、
俳優ロビン・ウィリアムスがラテン系のアクセントで面白おかしく演じているが、
それが他の文化の言葉になった時、どのように変わるのか楽しみだ。
フルCG映画「Happy Feet」は、日本でも2007年4月から劇場公開される予定。是非、ご家族で映画館に足を運んで頂きたい作品である。
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