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映像ジャーナリスト 鍋 潤太郎の随筆による、ハリウッドVFX情報をいち早くお届けします。

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ハリウッドのド真ん中に位置する中堅のポスト・プロダクション「デジタル・フィルム・ワークス」が、13年間の歴史に終止符を打ち、全機材をオークションによって売却する事になった。

同社は、Cauhenga Blvdというハリウッド・エリアの比較的アクセスが良い場所にあり、フィルムI/O、各種コンバージョン、そしてビジュアル・エフェクツ等の総合サービスを展開する中堅ポスト・プロダクションとして君臨してきた。

また、イマジカ製フィルム・スキャナーIMAGICA XE ADVANCEDを保有する事でも知られ、ハリウッド映画のスキャンニング・サービス分野でもある程度の実績を残している。

しかし、激化するハリウッドのポスプロ・ビジネスにおける競合各社との差別化の確立や、日進月歩のデジタル・テクノロジーの波に順調に乗る事等が出来ず、ここ数年は苦戦していた模様だ。

この11月、同社は全ての機材を競売に掛け、少しでも負債を減らす構えだ。別添のリストにもあるように、イマジカのスキャナーやSGIのワークステーション、試写室の設備、ディスク・ストレージ、DTF等のテープ・アーカイブ・システム等が競売に掛けられる見通し。

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これらのリストを見るだけでも、イマジカの新型スキャナー以外は、やや時代遅れの機材が目立つ。また、まだ閲覧可能な同社のWEBを見ても、紹介されている使用ソフトは5年以上前のトレンド・ツールである。これらを見ても、同社がデジタル・プロセスの波に完全に乗りきれなかった事が伺える。

米特撮専門誌「Cinefex」を愛読されていた諸兄は、雑誌の一番最後のページに必ず広告を掲載していた同社をご存知のはず。

同社の閉鎖は、本場ハリウッドと言えども、激化する競争や、ポスプロ・ビジネスを成功させる難しさを感じさせる、そんな1ページを垣間見る出来事であった。
 



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