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映像ジャーナリスト 鍋 潤太郎の随筆による、ハリウッドVFX情報をいち早くお届けします。

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「スターウォーズ エピソード3」が完成し、プロダクションが一段落したルーカス・フィルムとその傘下の各グループ企業はこの夏、サンフランシスコのプレシディオ国立公園近郊に$350million(約380億円)を投じて完成した、新しい自社ビルへと"民族大移動"を行う。

映画のエフェクト部門であるILM、ゲーム部門であるLucas Arts、そしてインターネットでコンテンツ提供を行うLucas Online等のルーカス・フィルム傘下の各グループ会社は、これまで北カリフォルニアはサンフランシスコのマリン郡に点在する賃貸オフィスビル10数個で業務を展開して来た。

総計1,500人余りとなるグループ会社の従業員は、同社の過去34年間の歴史の中で初めて、1つの大きなビルへと移る事になる。

一部のメディアで、「ルーカス・フィルムがハリウッドからサンフランシスコに引っ越す予定」という報道があったが、実際のところ、ジョージ・ルーカスはこれまでずっと、ハリウッドからは多少距離を置く形で、サンフランシスコで独自のビジネス展開を続けてきた。

今回の"民族大移動"は、正確にはサンフランシスコの「地元ローカルでのお引っ越し」となる。

新しい自社ビルがあるプレシディオ国立公園近郊は、1915年に開催された「パナマ・太平洋万国博覧会」の会場となった場所で、ゴールデンゲートブリッジからも近く、多くの観光客が行交う場となっている。

すでに、地元ではルーカス・フィルムがこの地に引っ越す事が話題となっているが、特にテーマパークやゲスト用のショップを開くというような計画はないようだ。

ただ、現在ハリウッドの各メディアが既に報じているところでは、今後の計画として、これまでの映画シリーズ全6作の立体映像化が予定されている模様だ。その映像化に関する最新情報は、[http://www.in-three.com]等でも一部紹介されており、2007年を目標にデジタル・シアターで立体版を公開する計画だという。

なお、ルーカスは、もう一つ新たなスタジオ、Lucasfilm Animationをシンガポールに建設する計画で、ここでは、スターウォーズの新しいテレビシリーズの製作が行われる予定だ。現在、ハリウッドではその為のスタッフ募集も行われている。

…余談ではあるが、

これまでILMが入っていたのは、サンフランシスコのマリン郡にある平屋建ての地味な賃貸オフィスビルだった。筆者も2度ばかり訪問したが、面白い事にビルのパネルには偽の企業名が掲げられている。

おまけに駐車場の反対側には、何気に大手安売り家電チェーンのサーキット・シティがあるが、同店を訪れる買い物客達は、その反対側の地味なビルであの「スター・ウォーズ」シリーズが作られていた事は知るよしもない。

ちなみに、筆者が取材の度にお世話になった広報部が入ったビルにも「マリン雇用センター」とかいう訳のわからん社名が出ていた。

そういう遊び心が漂うマリン郡を訪問するのが、これまでひそかな楽しみでもあった。同社の新社屋への引越しは、筆者個人は一株の寂しさを感じるのであった(笑)


 


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