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映像ジャーナリスト 鍋 潤太郎の随筆による、ハリウッドVFX情報をいち早くお届けします。

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「ザ・ディ・アフター・トゥモロー」「インディペンデンス・ディ」「Godzilla」等で知られるローランド・エメリッヒ監督の最新作で、ディザスター映画「2012」の全米公開が11月13日に迫っているが、ここロサンゼルス地方では街中の至る所に広告や看板が出現、そしてYouTubeには最新予告編がアップされる等、公開を前に、既に盛り上がりを見せている。


必見!  今現在、YouTubeで観れる最新予告編のリンクは、こちら:
http://www.youtube.com/watch?v=eZxBYItj2sM&feature=player_embedded

日本でも既に公開されている、日本語字幕入り予告編
http://www.youtube.com/watch?v=1mJSA4Z8BEk&feature=related

センチュリー・シティにある大きな看板:
b9f9e6e8.jpg

















2012_5.jpg

















LA市内の映画館で見られるパネル:
2012_1.jpg


















あまりにも荒唐無稽な光景に、人々は思わず見入っていた:
2012_2.jpg

















この作品、予告編を見る限りでは「アメリカ沈没」のようなディザスター映画だと推察できるが、注目はその尋常でなく、親のカタキの如く気合の入ったVFXだろう。

制作予算は推定で$260million(約231億円)とされており、うち相当額がVFXに投入されている事は安易に想像がつく。

しかも、この映画に参加しているエフェクト・ハウスの数も尋常ではない。

現在わかっているだけでも:

Crazy Horse Effects
Digital Domain
Double Negative
Evil Eye Pictures
Factory VFX
Final Light VFX 
Hydraulx
Image Engine
New Deal Studios, Inc.
Post Office Visual FX
Pixomondo
ScanlineVFX
SPI
Technicolor Beijing
Uncharted Territory

…などなどの15社が参加しているというから、驚きである。

LA、サンフランシスコ、ロンドン、カナダ、ドイツ、そして北京などに跨る巨大プロジェクトである。
 

中でも注目すべきは、末尾にリスティングされている 「Uncharted Territory」というエフェクト・ハウス。YouTubeの予告編では、前半のLA市街地が被災する場面や駐車場一体のVFXを手掛けているという。

同スタジオに勤務していた筆者の友人によると、このエフェクト・ハウスは自社スタジオを持たず、「出先に出向き仮スタジオを作り、仕上げて、カッコ良く去っていく」という、まるでカウボーイ映画のシェーンを彷彿させるスタイルを取っているとか(笑)

今回はSony Picturesの映画スタジオ施設に仮のVFX制作現場を作り、そこで作業を行っていたらしい。そして完成後は撤収したそうだ。

しかも、このUncharted Territoryは、3D Studio MaxをベースにVFX制作を行っており、しかもその完成度は大手VFXハウスを驚かせるようなハイクオリティをキープしている事でも知られる。

今後も要チェックのエフェクト・ハウスであろう。

さて、YouTubeの予告編にも既に登場している、サンタモニカ空港からダウンタウンLAの壊滅を手掛けたのはエフェクト全般に強いデジタル・ドメイン、ワシントンDC他の大波のシーンは流体シュミレーションに強く自社流体ツールでアカミー賞科学技術賞受賞歴もあるScanlineVFXが手掛けたそうで、それぞれのスタジオが得意分野を受け持っているのが興味深いところだ。

日本での公開は11月21日が予定されている。今年の年末の映画は、「コレで決まり」だろう。


   過去記事はこちらからどうぞ 全目次
 



この『映画「2012」公開迫る』は、当ブログ用に記述した非営利のオリジナル・コラムで、日本のメディアで発表したものありません。また、掲載されている画像の著作権は、各著作者に帰属します。

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