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(注:筆者は98年当時、勤務していた日系CG会社のWEBサイトで、ハリウッド・レポートの連載を掲載していた。それを読んだメディアの方から原稿の依頼が入るようになり、これが、結果として、ジャーナリストとして活動するキッカケとなった)
夏ですねぇ(笑)
みなさん、お盆休みは楽しかったですか?
しかし、ここ、明るく脳天気で平和なアメリカ地方には、そのようなお休みはありません。僕は、サンタモニカのオフィスで、今日も泣きながら楽しくお仕事してます。
ところで、先日、日本のある週間誌を見ていて、ちょっと驚いた事があります。
ある女性タレントさんがFU○K と書かれたお洒落なズボンをはいて、にっこりしてポーズを取っているのです。(ちなみに、○の部分には、Cが入ります)
おそらく、意味を全く理解しないで着ているのだと思いますが、もしこの格好でアメリカに来たら、銃で撃たれるかもな、と思いました。
その一方で、こんな話もあります。
僕の友人の日本人留学生が、フットボールの試合を観に行った時、頭に日本のハチマキを巻いて、応援しているアメリカ人がいたそうです。
親しみをおぼえて、そのアメリカ人に近寄ってみると、そのハチマキには、なんと、こう書いてあったそうです。
「絶対合格」(爆笑)
気持ちはわかりますが、言語の見た目のカッコ良さだけにとらわれ、意味をよ~く理解しないと、このようなトンチンカンな事になる事があります(笑)。
前者のように、場合によってはシャレにならない事もあるので、お互いに外国語の取り扱いには充分注意したいものですね~。
さて。本題に入りますか。今日は、夏休みシーズンのVFX映画のお話など。
○スモール・ソルジャーズ
オモチャの兵隊が暴れ出す、という予告編で注目を浴びていた作品です。なかなか面白そうな作品だったので、観に行ってきました。
「兵隊が喋って、動く」というハイテクのオモチャの開発工程で、誤って米国の国防情報が満載されたマイクロチップが使われてしまい、その兵隊達が「作戦」を開始するというお話です。
この戦いを挑んでくるオモチャの兵隊は、ILMによるCGが多用されています。かなりのショット数で、CGもコンポジットも膨大な作業量である事が伺えました。
キャラクターアニメの量も膨大ですし。
キャラクターがプラ製のオモチャという事もあり、クオリティー的に素晴らしいとか、動きが素晴らしいとか、そ~ゆ~タイプの作品ではないのですが、実写と絡んだCGの使い方などが斬新でした。
監督は、ジョー・ダンテ。随所に彼の個性がにじみ出ていて、楽しめました。
(ダンテが嫌いな人には、あまり合わないかもしれませんが)
ダンテは「グレムリン」等でおなじみですが、この「スモール・ソルジャーズ」もノリ的には全く「グレムリン」と同じでしたね。全編ドタバタ劇、という感じで。
また、ダンテは自分の作品に毎回、同じ役者さんを使う事が多く、ダンテシリーズでおなじみの「顔」が登場し、僕は嬉しくなってニコニコしていました。
部分的に、「トイ・ストーリー」のパロディを思わせるシーンもあり、楽しめました。
オススメの1本です。日本では、クリスマス映画かな?
○秋には2本のCG映画が公開
最近、映画を観ると、そろそろ秋の感謝際シーズンの作品の予告編が流れて始めています。中でも注目株は、2本の全編CG映画。
「トイ・ストーリー」を製作したピクサースタジオの第2弾「A Bug's Life(11/20<公開予定) 」、そしてもう1本がCGスタジオの老舗PDI社が贈る、「Antz (10/2公開予定) 」。
前者は、虫さんの生活を描いたお話、後者はアリさんの生活を描いたお話です(笑)。
これらの映像は、おそらく先月のSIGGRAPH’98に行かれた方なら、部分的にご覧になられた方も多のではないでしょうか。
この2本の予告編は、公開が近い事もあり、かなり頻繁に流れています。
お客の反応も上々のようです。
「A Bug's Life」の予告編では、観客から感心するようなタメ息が漏れます。
「Antz」の予告編では、予告が終わった瞬間、場内から少しづつ笑い声が漏れ始め、それが次第に場内を埋め尽くすという、ヘンな盛り上がり方を見せています(笑)。
両者とも動きや見せ方が洗練されていて、本編を観るのが非常に楽しみです。
それでは、また。
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