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映像ジャーナリスト 鍋 潤太郎の随筆による、ハリウッドVFX情報をいち早くお届けします。

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中堅エフェクト・ハウスとして知られるCAFEFX(本社:カリフォルニア州サンタマリア)は、1月29日(金)を持ってサンタモニカ支社のスタジオを閉鎖した。

サンタマリアにある本社スタジオは、当面継続される見通しだが、サンタモニカ支社閉鎖のニュースはハリウッドを駆け巡り、VFX業界を驚かせた。

CAFEFXは93年設立。サンタマリアに本社を構えるCOMPUTERCAFEグループのエフェクト・ハウスで、サンタモニカにも支社を構え、この2拠点でVFX制作を行っていた。

[画像:CAFEFXサンタモニカが使用していたビル]

96503431.jpg当初はサンタマリアの本社は映画のエフェクト中心、サンタモニカ支社がコマーシャルやミュージックビデオに加え映画という業務体制だったが、近年はサンタモニカ支社も映画のプロジェクトが中心だったという。

CAFEFXは中堅エフェクト・ハウスとしては有名な存在で、経営が堅実な事でも定評があった。

最近VFXを手掛けた作品には「GIジョー」「DRAGONBALL EVOLUTION」等の話題作が並んでいる。

昨年は不況によるTVコマーシャルの減少により、サンタモニカ支社と同じ建物の別フロアにあり、コマーシャルを手掛けていた兄弟会社SYNDICATEを11月に閉鎖。所属していたデジタル・アーティストらがCAFEFXサンタモニカに移籍したという経緯もあった。

[画像:閉鎖当日に撮影。昨年閉鎖されたSYNDICATEの名も、まだ残っていた]

d6b71d93.jpg元々、サンタモニカ支社のスタッフ数は約20-30人と少数精鋭だったが、昨年のSYNDICATE閉鎖やレイオフ等によって、最近では10人以下のアーティストというごく少人数で運営していたという。

ただ、関係者の話によると、今回のサンタモニカ支社のスタジオ閉鎖は「不況による影響では無い」のだという。

CAFEFXが最近受注していた映画プロジェクトの進行上のトラブルにより、多大な経済的損失が発生。そのあおりで、サンタモニカ支社を閉鎖するという結果に至ったという。

サンタモニカのスタッフ達は、最終日である1月29日(金)にサンタモニカ・プロムナードにあるイタリアン・レストランに集まり「最後のランチ」として昼食会を行い、これまでのお互いの労をねぎらい、別れを惜しんだ。

前述のように、サンタマリア本社は当面継続される見通しだが、今回の経済的損失の打撃が大きく「楽観は当面、禁物」という声が社内からは出ているという。

さまざまな地域で仕事が出来るチャンスや、地域の雇用促進という意味でも、アメリカの中堅エフェクト・ハウスの存在意義は大きい。堅実経営で定評があるCAFEFXには、是非、今回の困難を乗り越えて欲しいと切に願うばかりである。

CAFEFX のオフィシャルサイト
http://www.cafefx.com/


 

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