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先日、担当していた作品の納品が終わり、1週間の休暇を貰った。平日に堂々と休めるのは久しぶりである。
さて、何をしよう?
せっかくなので、なかなか平日には出来ない事に挑戦してみたい。そこで考えた末、以前から考えていた極秘プランを実行に移す事にした。
それは、平日しか行われていない、ソニー・ピクチャーズの映画スタジオ見学ツアーである。
ハリウッドの映画スタジオで、こういう見学ツアーが行われている事は、意外と日本の映像業界では知られていない。
そこで、今回はベールに包まれた(あ・ほ・か)その全容を皆さんにご紹介する事にしよう。
★どんなツアーなのか
ソニー・ピクチャーズは、ハリウッドを代表するメジャー映画タジオの1つである。
ロサンゼルスのカルバーシティに、本社と撮影スタジオ、ポスト・プロダクション施設等を構えている。
VFX業界で有名なソニー・ピクチャーズ・イメージワークスは同じ敷地ではなく、ここから東に数ブロック離れた近隣にある。
ハリウッドのメジャー・スタジオの中には、ユニバーサル・スタジオのように、映画の世界を多彩なアトラクションで楽しませるテーマパークを持っているスタジオもあるが、ここソニー・ピクチャーズの場合は少々異なる。
この見学ツアーは、テーマパークではなく「本物の映画撮影スタジオを歩いて見学する」というスタイル。
派手なアトラクションや、ジェット・コースター等のワクワクする乗り物は無いが、その代わりに歴代の映画作品で使用された撮影ステージを見学出来たり、運がよければ実際の撮影現場を覗く事も出来るのである。
★どうやって申し込むか
ツアーは310-244-8687に電話して申し込むか、もしくはオンライン[http://www.sonypicturesstudiostours.com/]でチケットを購入する事が出来る。
1人でも、大人数のグループでも、受けつけてくれる。当日申し込みもOKだ。
見学ツアーはガイド付きで、1日4回、9:30am,10:30am,1:30pm,2:30pmに実施されている。所要時間は約2時間で、ガイドさんが当日の撮影予定表を見ながら、その日の見所を案内してくれる。
残念ながら日本語でのツアーは実施されていない。
★ツアー概要
それでは、ツアーの概要をご紹介する事にしよう。
まず、ワシントン&マディソンの交差点にある、ガラス張りの大きなソニー・ピクチャーズ・プラザ[写真]のビルに集合。
このビル1階にスタジオ・ツアー窓口がある。ツアーの開始15分前には窓口へ行き、レジストレーションを済ませるようにする。
[ここが1階ロビーにあるツアー窓口だ。GODZILLAもお出迎え]
ここでツアー代金28ドルを支払う。
[九官鳥のように喋くりまくる陽気なガイドさん。その知識量には脱帽]
時間になると、ガイドさんがどこからともなく沸いて出て、スタジオ内を案内してくれる。
このツアーは、徒歩で行われる。
徒歩だと聞いて、参加者は「トホホ」と言っていた(そんな訳ね~だろう)。
まず、ソニー・ピクチャーズ・プラザのビルについての説明。未来的なデザインなので、ここのロビーが数々の映画でホテルや空港シーンとして使用された裏話などを聞きながら、歩いて道路を挟んで反対側にある映画スタジオの敷地へ移動。
映画スタジオのセキュリティー・ゲートを抜けると、まずはプロデューサーや重役が実際に使用しているオフィスを外から見学。建物によっては、ロビーまで入って中を見せてくれる。
このエリアには、多くの新旧ビルが並び、実際にオフィスとして機能している。中には、かつてMGMの重役が使用していた由緒&歴史あるビルディングもあり、ここではロビーのショーウィンドウに並ぶオスカー像等を見学。
そして、法務関係を扱っているオフィスが入っているビルに案内され「この建物も、外観が裁判所風なので、数多くの映画で使用されています」という説明を受けた。
このように、敷地内で"絵になりそうな"建物は、積極的に映画の中で使用するようにしているらしい。
スタジオ施設を映画の中に歴史の1ページとして残せる一方、社内で撮れるので撮影コスト節約にも役立つのだそうだ。「スパイダーマン2」の卒業式のシーンも、スタジオ内敷地内にある広場を利用して撮影されたものだという。
実施、スタジオ内はどこもお洒落で、絵になる場所が多かったのが印象的だった。置いてあるベンチ等は、撮影の際にすぐ移動出来るように着脱可能になっていた。
オフィス・エリアを一通り歩いた後、FoleyやADR等の音響関係のレコーディング・スタジオを外から見学。このエリアは撮影禁止だった。スタジオ入り口では赤いサイレンが点灯しており、本番中である事を伺わせた。
続いて、テレビ・スタジオのエリアへ。ハリウッドのメジャースタジオの多くは、テレビ番組も制作している。ソニー・スタジオ敷地内で収録されているテレビドラマ、クイズ番組のセットを見学した。(この画像は撮影許可を得て撮影)
この日は収録が行われていなかったので、どのスタジオも見学し放題である。観客が観覧出来るスタイルの連続コメディ・ドラマのスタジオ等を見学したが、テレビスタジオが持つ独特の雰囲気は日本のキー局と同じ。なんとなく親しみを感じるものがあった。
そして、最後に映画撮影で使用されているサウンド・ステージのエリアを見学した。
サウンド・ステージは巨大で、かなり大きなセットを建て込む事が可能だそうだ。我々が見学したサウンド・ステージの1つは、丁度何も撮影が入っておらずガランどうであったが、ここでは「メン・イン・ブラック」の巨大セットや「ロッキー」シリーズのボクシングのファイティング・シーンに使用されたのだという。
また、屋内に巨大な水タンクがあるステージもあり、ここでは「キャスト・アウェイ」での海上シーン等が撮影されたらしい。
こうして、映画撮影にまつわる裏話を聞きながらサウンド・ステージを回り、スタジオ・ギフトショップへ寄った後に再び出発点へ戻り、解散となった。
この時のツアーは、参加者が筆者を含めて3人とごく少人数だった事、うち1人の女性が偶然お誕生日で、しかも金髪美人だった事から、ガイドさんが普段は見せないエリアまで特別に案内してくれた(笑)事もあり、所要時間は約2時間半であった。
★おわりに
アトラクションが満載のテーマパークも楽しいが、このように本物の映画スタジオを自分の足で歩けるツアーも楽しい。
何よりも、古く歴史ある建物のカーペットから漂う独特の香り、慌しく行き交うスタジオ関係者、何気に止めてあるカートや、照明器具や地面を這うケーブルなど、撮影現場の生の息遣いが肌で感じられるのは魅力的だ。
LAを訪問した際に、是非訪れてみては如何だろうか?
Sony Pictures Studio Tour
http://www.sonypicturesstudiostours.com/
310-244-8687
所要時間約2時間 実施日 月~金
1日4回 9:30am,10:30am,1:30pm,2:30pm
グループ・ツアーやランチ付きツアーも(予約制)
対象年齢:12歳以上
料金:28ドル(1人)
ツアー参加者はプラザビルの駐車場が無料
All Images on this article (C)2010 Sony Pictures All Rights Revered.
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