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映像ジャーナリスト 鍋 潤太郎の随筆による、ハリウッドVFX情報をいち早くお届けします。

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ハリウッドのメディアが一斉に報じたところによれば、アニマトロニクスのスペシャリストで"SFX(スペシャル・エフェクツ)"のパイオニア、スタン・ウィンストン氏が6月15日(日)カリフォルニア州の自宅で多発性骨髄腫により死去。享年62才。家族に見守られながらの、安らかな死だった。

スタン・ウィンストン氏は特殊メークやアニマトロニクスのスペシャリストとして活躍。

ハリウッドのデジタル革命以前の、視覚効果の総称が"SFX"だった時代から精力的にSF映画等で活躍。

特に1986年の映画「エイリアン」や1992年の「ターミネーター2」、そして1993年の「ジュラシック・パーク」等でアカデミー賞視覚効果賞を受賞している。

1993年にはジェームス・キャメロン氏やスコット・ロス氏らと共に、大手VFX専門会社デジタル・ドメイン(カリフォルニア州ベニス)の設立にも参加。その創設メンバーとしても知られるが、後に方向性の相違等からデジタル・ドメインを去っている。

自ら率いるスタン・ウィンストン・スタジオ(カリフォルニア州バンナイス)は、これまでにも数多くの作品を手掛けた他、アニマトロニクスのみならず、時代の波に合わせてデジタル・スタジオも開設。日本の「南極物語」のハリウッド版リメークであるディズニー映画「Eight Below(邦題:南極物語)」のVFX等も手掛けた。

同スタジオは、現在全米でヒット中の最新作「アイロン・マン」で、アイロン・マンの戦闘スーツを手掛けているが、ウィンストン氏本人は闘病生活の為、直接の制作には関わる事が叶わなったと伝えられている。

ハリウッドに拠点を置く全米視覚効果協会VESでは、訃報を受けて「業界の大きな損失」と追悼のコメントを発表。

また、ウィンストン氏が設立に携わったデジタル・ドメインでは、16日(月)の午前中、全社員に対して訃報を知らせる電子メールが配信され、同社のクルー達はパイオニアの死を惜しんだ。

デジタル革命以前からハリウッドの視覚効果を支え、まさに時代を駆け抜けたパイオニア、スタン・ウィンストン。

氏は亡くなったが、そのスピリッツやテクノロジーは、ハリウッドの制作現場の次世代クルー達に受け継がれていくに違いない。

 


 
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