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6月13日、米国映画芸術科学アカデミー(The Academy of Motion Picture Arts and Sciences)は、来年2月24日(日)にハリウッドのコダック・シアターにて開催予定の第80回アカデミー賞授賞式に向け、ノミネート作品に対する新基準を発表した。
この新基準では、フルCG映画が該当する、長編アニメ映画賞のカテゴリーにも変更が加えられた。
これまで、長編アニメ映画賞(ANIMATED FEATURE FILM: Best animated feature film of the year)でのノミネート作品の基準は、
・フレームbyフレームのテクニックを用い、上映時間が70分以上である事。
・アニメーションされた映像が、上映時間の75%以上である事。
などが定められていたが、今回発表された基準では、
・主要なキャラクターはアニメートされていなければならない(must be animated)
という項目が新たに追加された。
「モーション・キャプチャーは含まない」という直接的な文面ではないものの、実はこの"animated"という英語には「アニメーターが手で動きを与える」というニュアンスが強く含まれている。
Motion Pictureという伝統ある芸術の発展を目指す、米アカデミーらしい英断であるが、反面、現在製作中のフルCG映画のうち、モーション・キャプチャーを多用している作品は「自動的」に長編アニメ映画賞のノミネート対象から外れる事になり、アカデミー賞を意識して製作を進めていた関係者のショックは大きい事だろう。
この背景には、デジタル・テクノロジーの進化によって、既に一般的になりつつあるモーション・キャプチャー技術を、芸術的観点で「アニメーション」として認めるかどうかの論争があった事を伺わせる。
ちなみに、今年2月に開催された第79回アカデミー賞の同賞は、モーション・キャプチャーを駆使した「ハッピー・フィート」が受賞している。
今回発表された新基準は、事実上、『モーション・キャプチャーはアニメーションではない』という判決が"映像最高裁"から下されたようなインパクトがある。
しかし、現場のキャラクター・アニメーター達にとっては嬉しく、誇りやモチベーションを高める変更と言えるかもしれない。
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