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Sony Pictures Imageworksがニューメキシコに新拠点 税制優遇策による経営メリットを期待
(2007年6月2日)

米大手VFXスタジオであるSony Pictures Imageworks(以降SPI)とフルCG長編アニメーション専門スタジオSony Pictures Animation(以降SPA)は、ニューメキシコ州のアルバカーキに新拠点を設立する計画をこの程発表した。

スタジオ関係者の話では、アルバカーキの新スタジオが将来オープンする際には少なくとも100人規模のデジタル・アーティストによって当面の製作体制を立ち上げると見られており、現時点では、カルバーシティのデジタル・スタジオの全施設と全人材を「移転」するという趣旨ではない模様だ。

この新施設はソーラー・パネルなどの地球に優しい設備を意識した「未来型」のスタジオ施設にする事も予定されているという。

 ニューメキシコ知事のビル・リチャードソンは、SPIとSPAの新拠点を歓迎する意向を示し「ニューメキシコ州が映画産業に対する環境提供を行う事に大きな誇りを感じます。

また、SONYがニューメキシコにおいて、長期スパンでのクリエイティブ面と財政面で成長していく事を期待します」というコメントを述べている。

 アルバカーキの新らしいスタジオ・スペースは、10万平方フィートの広大なものが予定され、Sunport国際空港もほど近い環境だという。

 また、地元のニューメキシコ大学との提携により、Imageworks Professional Academic Excellenceプログラム(IPAX)も開設される。これはImageworks主導によって設計された教育プログラムにより、才能ある学生を次世代のデジタルメディアを担う人材へ育成する事を狙いとし、地元での産学協働の人材教育にも力を注いでいく予定だ。

 このニューメキシコの新スタジオが、将来的にどの程度の規模まで拡大されるかは未知だが、アルバカーキの安い生活コストと、映画産業誘致を歓迎する州の税制優遇策によるバックアップが、長期的なスタジオ経営面では大きなメリットを受けると見られている。

 SPIと言えば、2月に、インドのアニメーションサービス会社のFrameFlow LLCを買収し、Imageworks Indiaとして発足させ、「Spider-Man3」「Click」「Ghost Rider」等の作品における2D部分の処理を行ったのが記憶に新しい。現在はインドでは60人のアーティストが勤務しているが、最終的に300人規模まで成長させたい構えだという。

 より複雑化するVFXやフルCGアニメーション映画。それに対応するだけの大規模設備や大人数のアーティストを、経費の掛かるカリフォルニア以外に「疎開」させる動きが感じられるが、ビジネス・モデルとして今度の動向に注目したいところである。

Sony Pictures Imageworks

1992年に設立された、ハリウッドのメジャー映画スタジオSony Pictures傘下の大手エフェクト・スタジオで、オフィスも実際の映画が撮影されているSony Picturesスタジオ敷地内にある。最近の作品には「Ghost Rider」「Monster House」「Spider-Man3」等がある。

 


 
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