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映像ジャーナリスト 鍋 潤太郎の随筆による、ハリウッドVFX情報をいち早くお届けします。

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この週末、知人の仲間の友だちで、SONYPICTURES IMAGEWORKS でCGをやってたんだけど最近リストラされちゃったという韓国系のアニメータに会う機会がたまたまありました。(ややこしくてすいません)

彼は現在公開中の"STARSHIP TROOPERS" の宇宙のシーンを担当したという事で、いろいろ話を聞せてくれました。

読者の大半の方は来年ご覧になる映画ですので、内容には触れません。

また、映画を観ないと何が何だかサッパリわからないように書いておきますので、未観の方でも安心して読んでください。

映画を観てから、もう一度読み返してみると楽しいかもしれません。

"STARSHIP TROOPERS"の、SONYがやった宇宙のシーンについて

某CGアニメータ(名前聞くの忘れた...)さん曰く。

○宇宙船はミニチュアがメイン

宇宙船は比較的大きなミニチュア(数メートル)をアームに固定し、モーション・コントロールで撮影したとの事。

宇宙船から発進するシャトル等の付随的な要素はCGによるもの。

○パーティクルはDynamation

パーティクルによるエフェクトは、Alias|Wavefront のDynamationによるもの。

Dynamationは表現の幅が広く、
リアルな表現が可能なので重宝しているそうです。

『虫爆弾』等で頻繁に活用したという事で、

『虫爆弾』は4つのレイヤーから成っていて、芯や、周りをとりまく光子、その他。これらを合成して『あの』斬新な虫爆弾が出来たそうです。

○コンポジットは、Composer

合成は、AWのComposerで行ったそうです。

これに、プラグインのPrimatteを載せて、ブルーマット等の合成に活用したそうです。

Cinefusionも使ったが、モーション・ブラーが含まれている映像にはPrimatteットの方がキレイに抜けた、との事です。

※ちなみに、Primatteは日本で開発されたものです。

開発と発売元は日本のフォトロンで、
僕の知人のエンジニア、三島氏によって開発されたのです。

○『宇宙船パックリ』は4・5人がかり

『宇宙船パックリ』は4・5人がかりでデジタル合成したそうです。

SONYには実写の炎のデジタル画像ライブラリがあり(これだけで膨大なDISKを使っているらしい)それを元に、あの7階層位のフロアに火が回っているものスゲ~リアルなシーンを作ったそうです。

その炎のライブラリがこの映画用なのか、
もともとあるものなのかは、聞くのを忘れました。

○『命中シーン』はCGとミニチュアの組合わせ

『虫爆弾』が目の前で命中して、さぁ大変(なんだそれ)というシーンでは、ミニチュアの宇宙船とCGの破片等を組み合わせてるそうです。

このシーンもすげぇ良く出来ていました。

○後処理によって複雑で繊細な効果をねらった

モーション・コントロールによる宇宙船、背景、虫爆弾、そして他の船の爆発の照り返し....非常に複雑な絡みの映像が頻繁に登場する、見せ場が沢山ある作品なのですが、マタドール等によるレタッチや後処理を頻繁に使っているそうです。

宇宙船の手前を虫爆弾がかすめるシーン等は、宇宙船はミニチュアによる普

通の素材ですが、これに爆弾の照り返し等をレタッチしたそうです。

このようなちょっとした後処理を組合わせ、複雑かつ繊細な映像作りを行ったという事です。

合成レイヤも20とか40とか、とんでもない数だったそうです。

デジタル合成部分のレゾリューションは2Kだそうです。

○後処理の利点はフレキシブル

作品によっては撮影の際にストーリーボードとにらめっこしながら、ミニチュア周りで起こっている爆発の照り返し等をライトでつけて撮影、というケースもありますが、今回は後処理が多いらしい。

後処理の利点はフレキシブル。素材をいじりながらいろいろ調整出来る為、試行錯誤をしながらクオリティを高められる、との事。

だいたい、このような裏話でございましたですね。

このアニメータは門外不出のビデオテープを見せながら説明してくれました。
僕は友人達と、口をあんぐり開けたまま、ビデオに見入っていました。

ではでは。

 


 
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