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ハリウッドの各メディアの報道によれば、ハワイのホノルルにある、スクウェアUSAのホノルル・スタジオが2002年3月31日に閉鎖される事が決定したという。
その第1報は1月30日のハワイの地元新聞Honolulu Star-Bulletin紙が伝え、翌31日にはハリウッドの有名映画情報紙であるVariety紙が報じ、各メディアもそれらを追う形で相次いでこのニュースを伝えた。
これらの報道によると、同スタジオは5年前に設立され、フルCG映画「ファイナル・ファンタジー」を完成、全米公開に漕ぎ着けるという偉業を成し遂げた。映画製作中は300人規模だった同スタジオだが、完成後は125名のスタッフ(30%が日本から、12%がハワイの地元から、残りがアメリカ本土から)が勤務していた。
映画「ファイナル・ファンタジー」の製作は、4年の歳月を掛けて約$115million(約143億円)、最終的に$145million(約181億円)近くが投じられたが、残念ながら全米公開での興行収入は$32million(約40億円)、世界公開での興行収入は$72million($90億円)にしか到達しなかった。
一方、世界配給元のソニー(Columbia Pictures)は、全米2600館余の映画館用の上映プリント代と宣伝費に$30million(約37億円)、世界配給には$50million(約62億円)を費やしたという。
※為替レートは全米公開直後の、1ドル=125円で計算
また、同スタジオの次作の展開に対して打撃を加えたのは、昨年9月11日のNYへのテロ攻撃で、今後のパートナーとなるハリウッドのメジャー映画スタジオ各社が多大な減収を受けた事等が、大きく影響しているという。
更に、今月に入ってから、同スタジオが月極契約でリースしているHawaii Film Studio(ハワイ州が所有)の使用スペースを、映画「Man of War」(ブルース・ウィルス主演)のプロダクションチームが、3月中旬からの使用を要請して来たという事情もあるようだ。
1月28日月曜日、映画「ファイナル・ファンタジー」でエグゼクティブ・プロデューサを務めた会田 純 同スタジオ社長から、全社員に対して3月末の閉鎖が正式に通えられたという。
同スタジオでは昨年秋以降、映画「マトリックス」の続編のプロモーション用予告編の為に、約10分間のCGアニメーションを製作する等、勢力的にプロダクション業務を継続してきたが、来る3月31日を持ってその5年間の歴史に幕を下ろす事になる。
映画「ファイナル・ファンタジー」の公開直後、ハリウッドの各メディアは、公開最初の週における売上げが伸びなかった原因について「ストーリーの弱さ」をこぞって指摘していた。LAタイムズ紙等の映画評論欄も辛口の批評で、それらも客足が遠のく要因になったと推測出来る。
確かにこの作品は、ビジネス的観点では失敗に終わったものの、ハリウッドの映像業界では、同作品のCG映像の完成度は非常に高く評価されている。また、昨年のシーグラフで発表された、同スタジオの加藤俊明氏が開発したオリジナル・レンダラー「キラウエア」も完成度が高く、今後が期待されていた。
同スタジオが蓄積した技術やノウハウを惜しむ声は多い。
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