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ハリウッドの大手エフェクト・ハウスでSony Pictures傘下のSony Pictures Imagesworks(以降、SPI)が、映画「Spider-Man 2」の5月末プロダクション終了と同時に、3DCGスタッフに対し中規模のレイオフを実施している。
今回のレイオフは中規模で、解雇されるスタッフは100人以上に昇る見通し。
SPIは昨年から200人規模のチームで映画「Spider-Man 2」のビジュアル・エフェクツを製作してきた。
6月30日の全米公開を控え、5月末日をメドにポスプロ作業が終了する為、この担当スタッフ達の多くがレイオフされている。
しかし、同社は特に業績が悪いという訳ではない。プロジェクトの完了に伴い、オーバーヘッドを押さえ合理化を図る為のレイオフと見られている。
レイオフされているスタッフは、プロジェクト契約以外のスタッフや、就労ビザで働いている外国人スタッフも含まれており、大規模ではないと言えども極めて厳しいレイオフと言えそうだ。
特に外国人の場合、レイオフされてしまうと雇用契約が消滅する。消滅後10日目以降は自動的に不法滞在者となってしまう為、厳しい局面に立たされる。早急に次のビザ・スポンサー(雇用主)を見つけねばならず、言うに言われぬ苦労を強いられる事になってしまう。
通常、アメリカでの"レイオフ"とは「一時的な解雇」で、業績復活後に解雇した社員を呼び戻す、というのが一般認識である。しかし、映像業界においては、ほとんど「普通の解雇に近い」、というのが現実と言える。
こうした背景もあってか、最近ハリウッドのエフェクト・ハウスでは、正社員としての雇用ではなくプロジェクト雇用の形態を採るケースも増えている。契約期間も数ヶ月~1年未満と短い。
外国人の場合、正社員となる方法以外は就労ビザを取得するのが極めて難しく、この現象はハリウッドで働く我々外国人には、やや不利な側面となってきている。
SPIでは「Spider-Man 2」の他にも、「The Polar Express」など数本の映画プロジェクトが同時進行で製作されているが、それぞれの作品は完全に独立して管理・進行されている為、レイオフされた「Spider-Man 2」のスタッフが他のプロジェクトに移れる、などと言った"融通"は「コンポジット等の1部スタッフを除き、あまりない」(関係者)という。
SPIは過去にも、97年に「Starship Troopers」のプロダクションが終了した際に大規模なレイオフを実施し、ハリウッドのCG業界関係者を驚かせた経緯がある。
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