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映像ジャーナリスト 鍋 潤太郎の随筆による、ハリウッドVFX情報をいち早くお届けします。

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坂口亮氏 受賞式にて
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ハリウッドのVFXスタジオ大手、デジタル・ドメインの坂口亮氏が、第80回アカデミー賞の受賞カテゴリーの1つである科学技術賞(Scientific & Technical Achievement Award)を受賞した。

これは、デジタル・ドメインの自社開発流体シュミレーション・ツール「Fsim」に対するもので、その開発者であるダグ・ローブル、ネフィース・バイン・ザファー、坂口 亮氏の3名に対して贈られた。

過去にも日本人が同賞を受賞した経緯はあるが、日本人のCGアーティスト&エンジニアとしては坂口氏が初めての受賞となる。

坂口氏は78年生まれ、横浜市出身。慶応義塾大学 環境情報学部に在学中、デジタル・ドメインへインターンとして迎えられた。インターン期間終了後は一旦帰国、大学の残りの課程を修了し卒業後に再び渡米、正社員として入社し現在に至っている。

坂口氏ら3名が開発した「Fsim」は、Houdini上で動作する自社開発の流体シュミレーション・ツール。Houdini独特のプロシージャルなアーキテクチャの柔軟性をうまく活用する事により、フレキシブルな操作性によってリアルな流体の動きをシュミレートする事が可能だ。

「Fsim」はこれまでにデジタル・ドメインが手掛けた数多くの映画やコマーシャルの制作で活用され、最近の大作映画の例では「パイレーツ・オブ・カリビアン3」の滝のシーンなどでその映像を観る事が出来る。


IMG_2509.JPGアカデミー賞の授賞式はハリウッドのコダック・シアターにて2月24日(日)に全米ネットで中継されるが、この科学&技術賞の表彰式はそれに先立つ形で2月9日(土)、かの映画「プリティー・ウーマン」で一躍有名になったビバリーヒルズの1流ホテル、ビバリー・ウィルシャー・ホテルにて開催された。
 
科学技術賞では、毎年「旬」のハリウッド女優がプレゼンターとして登場する事になっているが、今年は人気女優のジェシカ・アルバがプレゼンターを務め、華やかな雰囲気の中で授賞セレモニーは行われた。

このセレモニーの模様は収録され、アカデミー賞授賞式の中継の中で、受賞の合間に紹介される予定である。

アカデミー賞 科学技術賞:ハリウッドの映画市場において、作品制作を支える技術やテクノロジーにおいて極めて優れた功績を残した装置、機器、理論等に対して贈られる賞で、その対象は幅広い。

CGアプリケーションでは、RenderManが1993年に、2002年にHoudiniとMAYAが同賞を受賞している。

また過去の日本人の受賞は、2002年には日本のイマジカのマルチフォーマット・オプチカルプリンターがハリウッドでの使用実績を評価され、受賞している。 


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