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「The Martix」の2作目と3作目のVFX等で知られる著名な
エフェクト・ハウス、ESC Entertainment(アラメダ、サンフランシコ)が、
アメリカ独立記念日の連休直前である7月2日(金)、
159人規模のレイオフを実施した。
レイオフされたのはアニメーター、カラー&ライトTD、アニメーター、
コンポジター等を含む159人で、これは一時期250人のスタッフを有していた
同社社員の6割以上に相当する。
ハリウッドのCG業界関係者の間では、5月頃から「近いうちにESCは倒産
するらしい」という噂が広く流れていたが、これはレイオフ実施の2ケ月前に
同社が州法に準じ、州に対してレイオフの事前申告をオフィシャルに行った為
と見られている。
同社は7月23日より全米公開になる映画「Catwoman」のエフェクト製作を
鋭意進行してきたが、次に予定されている映画「Superman」(2006年公開予定)
の受注が予定よりずれこむ見通しとなった為、「Catwoman」の作業終了と
同時にやむをえずレイオフに踏み切る事になったようだ。
幸い今回の場合は、プロジェクトの間が空いた為の一時的な解雇と見られ、
同社の次なるプロジェクトが入り経済的状況が復活次第、
レイオフされたスタッフ達は順次呼び戻されると推測されている。
前述の「Superman」はワーナーの製作で2006年に公開が予定されているが、
つい先週、McG 監督 (「チャーリーズ・エンジェルズ1、2」)が
降板。今週に入ってBryan Singer(「Xmen2」、「Xmen3」[予定])
が、ストーリー開発と監督を務める契約書類にサインをしたところで、
まだエフェクト作業に入る為の基盤は固っていないのが状態だ。
今回のようなレイオフは、何もESCに限った事ではなく、エフェクト・ハウス
には共通する「悩み」だ。大人数のスタッフを確保しておきながら、
プロジェクトが予定通りに入ってこなければ、母体を維持する為には
レイオフを敢行するしかない。
念のために申し上げておくが、今ハリウッドは絶好調で、
決して不景気という事はない。
しかし巨大バジェットのハリウッドと言えども、エフェクト業界はプロジェク
ト・ベースの受注産業である事に変わりがなく、改めてエフェクト・ハウス
の経営の難しさを浮き彫りにした出来事とも言える。
最近、ロサンゼルスでは5月末にSony Pictures Imageworksが
「Spider-Man2」の作業終了と同時に中規模のレイオフを行ったばかり。
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(C)1998-2009 All rights reserved 鍋 潤太郎
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先日、ロサンゼルスにあるエフェクトハウス、セントロポリス・エフェクツ社が苦境に立たされた事をお伝えしたが、2003年が明けたばかりの今月初頭、同社は非情にも閉鎖に追い込まれ、5年間の歴史に幕を下ろした。
同社が入居していた複合スタジオは、ソニーの映画スタジオに程近い、カルバー・シティにある。
その一角にある、「スタジオB」と呼ばれる広大なオフィス・スペースでは、入り口にあった社名のプレートも既に外され、その扉は堅く閉ざされ、ヒッソリと静まり返っていた。百人規模のCGスタッフが出入りしていた昨今が、まるでウソのようである。
同社の膨大な機材は、近々に競売に掛けられる見通し。
ここで、(先日の記事と重複する部分もあるが)同社の歴史を振り返ってみよう。
セントロポリス・エフェクツ社は、映画会社のワーナー・ブラザーズより映画「マトリックス」の続編("The Matrix Reloaded"2003年5月全米公開予定 / "The Matrix Revolutions"2003年11月全米公開予定)を受注し、準備を整えていた。
しかし、先月、同社の親会社であるドイツのポストプロダクション、Das Werk社が倒産手続に入った影響により、ペイロール(給与)の支払いが停滞した事等を重く見たワーナーが、同社に依頼していたすべてのエフェクトショットをソニー・イメージワークス社にシフトする事を決定。
これにより、同社は2002年のクリスマスを前に苦境に立たされた格好となり、その経営は正念場を迎えていた。そして年が明けた直後、正式に閉鎖が決定した。
セントロポリス・エフェクツ社は、映画「インディペンデンス・ディ」等で知られる映画監督ローランド・エメリッヒ、脚本家&プロデューサーのディーン・デブリンらによって97年に設立され、セントロポリス・エンターテインメント社のビジュアル・エフェクツ製作部門という位置づけで、これまでにも、Godzilla / Stuart Little / The Patriot / K-PAX / Vanilla Sky /Scorpion King 等、数々の映画のデジタル・ビジュアル・エフェクツを手がけてきた。
しかし同社は2001年にドイツのポストプロダクション、Das Werk社に売却された。
最近では本欄でも夏にご紹介した"巨大なクモが人間を襲う”というB級映画「Eight Legged Freaks(邦題:スパイダー パニック!)」(写真)のCG及びエフェクトを担当したが、同プロダクション終了後はCGのキャラクター・アニメーターを大量にレイオフする等、日頃から「贅肉落とし」を推進、常に軽量化を図る等の慎重な経営姿勢も伺えていた。
筆者は、同社がインターネット等を通じ、この「マトリックス」シリーズの為の追加スタッフを募集している広告を何度か目にしており、その矢先の出来事に驚きを隠せないでいる。スタッフには筆者の友人も含まれていた為、なおさら他人事には感じられなかった。
2003年度、ハリウッド映画市場はテロ等の逆境にもメゲず、メガトン級のヒット作が続いたお陰で史上最高の売り上げを記録。ビジュアル・エフェクツを含んだ特撮関連作品の予定製作本数も向こう数年順調の伸び、という明るい兆しの中で、今回のこのニュースである。
最近、「バビロン5」で有名な中堅のファウンデーション・イメージング社が閉鎖されたばかりだが、大手エフェクト・スタジオの閉鎖は久しく無かっただけに、非情に残念な出来事である。
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