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ここハリウッドでは、VES主催の講演会や講習会が頻繁に開催されている。
VESは「Visual Effects Society」の略で、全米監督協会、脚本家協会、俳優協会等と並ぶ、ハリウッドの数ある映画ギルドの1つである。
日本語で言うと「全米視覚効果協会」という事になろうか。
この程、このVES主催の「ARTISTIC PITCHING FOR ANIMATION」というパネル・ディスカッションが9月10日土曜日の午前中を利用して開催された。
この講演のテーマは「ハリウッドへCGやアニメの企画を売り込む法」で、関係各社から錚々たる面々がパネラーとして登場し、非常に興味深い話を聞く事が出来た。
普段から企画プレゼン等でトーク慣れしたプレゼンターが揃い、業界ジョークも沢山飛び交った。
場内はその都度、大爆笑に包まれ、なごやかな雰囲気の中でパネル・ディスカッションは行われた。
ではその模様を、かいつまんでご紹介しよう。
会場となったのは、ソニー・ピクチャーズ・イメージワークスの敷地内にある試写室、SONY THEATERであった。
パネラーの顔ぶれ:
司会 - Francis Glebas / Animation Director - Disney
Frank Gladstone / VP of Artistic Development – IDT Entertainment, Feature Animation
Karen Foster / Creative Executive - DreamWorks Animation
Roland Poindexter / SR VP of WBA (Warner Bros. Animation) Development
Heather Kenyon / Senior Director – Cartoon Network
Peter Gal / Director, Development - Nickelodeon
~どんな企画が通りやすいか~
のっけから、難しい事を聞かないでよ!(場内爆笑)
…そうですね、先ず「カーネル」(kernal)というものがあります。これは、オフィスに人が来てプレゼンを行う際の、アイデアや、キャラクター、コンセプト等のコアになる部分を指します。これがまず大切になります。
テレビと映画におけるアニメーションは当然違います。しかし、まず着目するのはキャラクターです。「いかに観客を引きつける魅力を持っているか」を重視します。
ニッケルオデオン(英語では「ニコロデオン」と発音)では現在、約65-130話でアニメ番組を構成しています。企画は1000本近くあり、その中から審問をくぐり抜けて作品になるのは1~2本でしょうか。
どれだけキャラクターが魅力的なのか、どの位良いストーリーなのか、という点を吟味します。
~企画を、実写にするかアニメにするかの判断ライン~
それはですね、♪Fee~ling♪(場内爆笑)
…失礼しました。でも、本当に、脚本を読んだ時のフィーリングなんです。
ストーリーにもよりますが、アニメで表現するのは、ある種の「トーン」がある作品ですね。
ドリーム・ワークスの長編アニメ「シンドバッド」を例に挙げると、ブラピやキャサリン・ゼタジョーンズ等、本物を見た方が充分楽しめる人達が、わざわざ声をあてています(笑)。
でも、この作品はアニメで表現した方が良い。
一般に、ライブアクションでやると、よりシリアスに見えます。アニメの場合、その度合いをコントロール出来ますから。
「アニメーションでしか起こりえない事」ってあるでしょう?ヘンな例えですが、この間、スタッフ連中でスシ・バーへ行ったんです。
その時に、上司の偉~い人がスシにワサビをつけ過ぎて、口に入れた直後、テーブル上に「ぶ~~っ!!」て吹き出しちゃったんです(笑)。
もぅホントにアニメみたいな光景で爆笑ものでした。実写でも面白いけど、こういうシークエンスは、アニメで表現した方が面白いですよね。
日本のアニメ「千年女優」をご覧になった事がありますか?驚異的な絵のディテールと、ドラマ性。素晴らしい作品です。
この作品のように、観客を惹きつけ、映画の中に感情移入させる"ストーリー・テリング"の要素を持ち合わせている事が大切なのです。
「千年女優」の場合は、実写ではなく、アニメーションで表現したからこそ、素晴らしい作品になったと言える好例ではないでしょうか。
さて、ワーナーの場合ですが、我々はこれまであまり劇場用の長編アニメには力を注いできませんでした。どちらかと言えば、テレビ市場です。
例えば、テレビシリーズのアニメ「バットマン」がその代表例ですが、アニメで製作する事で、様々なエピソードやアクションを盛り込めます。
もし、これを実写の番組で製作したら、大変なお金が掛かってしまいます。これは、エコノミー面でのビジネス・モデルと言えるでしょう。
ちなみに、テレビでアニメーション番組を制作する場合、劇場用長編アニメのように予算や製作期間が充分にある訳ではありません。1話あたり数十万ドル(数千万円)の予算で制作する等、かなりの制約があります。その点は常にチャレンジを強いられる部分です。
~2Dか?3Dか?~
著者注: この3Dは、3DCGの意です。立体上映の意ではありません。
"ハリウッド"は3Dです。なぜなら、3Dでやるとヒットして、お金が儲ける為です。もしも2Dの長編アニメを作ろう、という企画が出ようものなら、周りからは「一体全体、どうしたんだい?」と言われてしまうでしょう。
ボックス・オフィスの興行成績を上げる為には、この点も含めたマーケティングが大切なのです。
例えば、日本の宮崎駿監督は優れたアニメーターで、みんな彼の作品を大好きです。でも、アメリカでの市場はニッチマーケット(niche market)なのです。
ドリーム・ワークスの場合、ご存知のように2D→3Dへの大規模な改革を進めた訳ですが、これには本当に大変な気苦労と、労力と、お金を費やしました。"ハリウッド"は今、全体がその方向に向かって動いているのです。
この段階で、2Dの長編アニメを製作するのは、並み大抵の事ではありません。
なぜなら、スタジオのパイプラインはもう完全に3Dです。2Dをやろうとしても、パイプラインが根本的に異なりますし、伝統的な2Dの人材も離れてしまっています。
一方、ニッケル・オデオンでは、ストップ・モーションやパペット・アニメのテレビ番組を作り続けています。現在も幾つかのプロジェクトが進行中です。
テレビ界では、3Dにはまだチャレンジが多いです。特にコメディ系はそうです。3Dを強力に推すのは時代の流れとも言えますが、2D・3D、そしてFlashも含め、キャラクターの表現とストーリー・テリングに最適な方法を、その都度慎重に選ぶべきだと考えています。
その中で、3Dで製作する際の利点は、カメラが自由に動かせるので演出面でのフレキシブルが効くという長所でしょうね。
ワーナーでは、喋る消防車や自動車が出てくるアニメ番組を3Dで作っています。このようなアドベンチャー系の作品では、3Dの方が良いかもしれませんね。
~企画のプレゼンでは、どのようなデザイン素材を持ち込むべきか~
あればヘルプにはなりますが、必須ではありません。
もし採用されて作品になれば、どうせ「再デザイン」されて「3D」になる事になります。
デザインを持ち込んでも、それがそのまま映画になる事は殆どありません。
逆に、出来のよくないアート・ボードを持ち込まれると、それを見せられたスタジオのエグゼクティブ達をガッカリさせるだけで、かえって逆効果になります。
大切なのは①グレート・キャラクター②グレート・ストーリー。そして、「もしあれば」③グレート・アート この3つでしょう。
業界には「ショウ・バイブル」という雛形があります。メイン・キャタクターの説明、テレビの11分サイクルのアニメ番組でいつ何が起こるのか?を説明する5~7話のサンプル・ストーリー、そして一番面白いシーンのアート・ワーク。このアート・ワークは、凝ったものでなく、ペンシル・テストで構いません。
テレビの場合、アニメ番組には一貫したスタイルがあります。それに沿ったものであった方が良いでしょうね。
キャラクターには、よく黒人はこういうキャラ、アジア人はこう、太った人はこう、という典型的なパターンというものがあります。でも、そうではなくもっとリアルで現実的なキャラクターが求められています。
逆に、非現実的なキャラクターも求められています。簡単な例だと、バックス・バニー。彼の行動は異常で、性格も最低です(場内爆笑)でも、みんなに愛されているキャラクターでしょう?そういう要素が、人を惹きつけるんですよ。
テレビでも映画でも、観客がいかにそのキャラクターに入り込めるか、という事が重要です。プレゼンでも、その点は最重要視されます。
プロットは短く簡潔な方が良く、何よりもストーリー性が大切。この点を軽視して、膨大なデザイン画をプレゼンに持ち込んでも、あまり役には立たないでしょう。
なぜなら、私達のスタジオには、デザインをする人が幾らでも揃っています。必要であれば、いつでも彼らがデザインを描いてくれますから。
もし、ストーリーを買うのがライター(作家)からであれば、10-20ページのベーシック・アイデアのドラフトだけを書いてもらい、その後はデベロップ・チームに委ねられます。
言い切ってしまえば、私達が探しているのは、あくまでも「ストーリー」であって、「人」ではありません。
ストーリーは、デベロップの段階で大幅に変更になる事も予想されます。
もちろん、ライターのビジョンも段階段階で反映はさせていきます。こうして、何年かが経過して、作品が世に出てくるという訳です。
~どうやってピッチ(プレゼン)するか~
通常、このプレゼンのプロセスを、ハリウッドでは「ピッチ」と呼びます。
"Pitch your charactor and story!" これが一番重要です。
ピッチの場で、膨大なデザインや、分厚い企画書を並べるのは本筋ではありません。それらは、後日、「必要であれば」ご持参頂くのが良いと思います。
ピッチは、シンプルかつコンパクトであるべきです。
もし質問があれば、こちらからお聞きします。相手から質問が出る、というのは良い事です。興味を示している訳ですから。
ピッチはシンプルに、後は相手の言う事に耳を傾ける事です。ピッチでの「喋り過ぎ」はあまり得策ではないと言えます。
~ピッチにおける、べからず集 各パネラーの経験から~
登場キャラクターを、「有名俳優の○○風」というように置き換えて説明するのは、あまり良いアイデアではありません。場合によっては効果的かもしれませんが、かえって良くないイメージを残す事もあります。
特にテレビ番組の場合、私共のお客様は6~11歳のお子様です。彼らには、有名人かどうか?は関係ないのです。面白いか、そうでないかです。
ピッチの場で、マーチャンダイズのマーケティング戦略のプレゼンをしないでください。そういうものは「後から出てくる要素」です。ピッチでは、まずストーリーを話すべきです。
テクノロジーのプレゼンをしないでください。MAYA?RenderMan?新技術?そんな事は、ピッチでは関係ありません。ストーリーを話してください。それに、ソフトと最新技術は、もうスタジオに揃っていますから。
プロシェッショナルらしい振る舞いを期待したいものです。ピッチの最中に、 いきなり裸にならないでください(笑)(場内から「え~~?」の声)
犬が主人公の企画で、私のオフィスに犬を連れてきて、その犬の話ばかり。彼らが帰った後は、カーペットに犬の毛がこびりついていました。その企画は、もちろん落としました。
「ファミリーもの」の企画で、自分の家族全員を連れて来た人もいた(笑)
ロマンティックな企画だとか言って、音楽家でもあるそのライター氏は、私と一対一の部屋で、私をじっと見詰めながら、ロマンティックな歌を1曲歌って帰りました。
…あの時は5分間が5時間に感じた。 本当にまいりましたねぇ(場内爆笑)
とは言え、ピッチの最中は、「アイ・コンタクト」。目を見て話した方が好印象でしょう。
自分のプロジェクトを信じて。そうでないと、それが態度にも表れてしまい、好印象には結びつかないでしょう。
ピッチの本番前に、友人や知人の前で予行演習をして、充分にリハーサルをしておくと効果的だと思います。
~どうやって、ピッチのアポイントメントを取ればよいか~
"Call us." "Call me."この一言に尽きます。
たまに、電話番号を教えてください、と聞かれますが、名刺を持ち合わせていない事もあります。そんな時は、こう答えているんです。
「411(アメリカの番号案内)に電話してください。会社名と部署名を言えば、異様に愛想の良いオペレーターがすぐに繋いでくれます」(場内爆笑)
コネクションがないスタジオと連絡を取る場合、通常は、まずデベロップメント・ディレクターにコンタクトを取れば良いでしょう。
最初から、それより上のポジションの人に会う必要はないと思います。
ハリウッドでは、通常「リリース・フォーム」という書類にサインを交わし、そこで初めて資料に目を通す事になっています。このサインなしでは、我々は脚本を読む事すら出来ないのです。このサインによって、アイデアの盗用問題や、様々な問題から「私自身と会社を守る」事が出来るのです。
ピッチは、エージェントを介して行う事も多いです。但し、その場合は、大概よく知っているエージェントから話を受けるのが通常です。聞いた事もないエージェントや、知らない弁護士から話があっても、受けないようにしています。
~企画をピッチする際、スタジオを選ぶ方法は~
企画によって、どのスタジオへ持ち込むべきかは変ってくると思います。
例えば、ニッケルオデオンは6~11歳のお子様が対象。
ディズニーは最近、女の子が主人公、そしてモラルを作品の中で取り上げる傾向があります。
ドリームワークスは、チャーミングな要素を探しています。しかし、これが一番難しい。「チャーミング」さを表現するのは、意外と簡単ではないのです。
後、言える事は、やっぱり"Call us." "Call me.”。電話してください(笑)
ピッチで採用されても、すぐに形になる事は期待しない方が懸命でしょう。
例えば、今ニッケルオデオンで放映されているアニメ作品は、2年前に決まったプロジェクトです。法的なプロセスを潜り抜け、すべての権利関係がクリアになって、初めてプロダクションが始まります。
スタジオへのピッチは、単なる面接よりも、全然価値があるものです。今日お話した要素を参考に、どんどん私達に連絡を頂ければと思います。
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こうして、この日のパネル・ディスカッションは幕を閉じた。
ハリウッドならではのスタジオの考え方、日本のアニメーションへの意識、マーケット、3D化など、筆者にとっては大変興味深い内容であった。
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著者に無断での転載、引用は固くご遠慮下さいますよう、
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(C)1998-2009 All rights reserved 鍋 潤太郎
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画像:当日配布されたパンフレットより
アカデミー賞でおなじみのAcademy of Motion Picture Arts and Sciences and the Academy Foundationは、会員を対象に定期的に試写会や講演会を主催している。
そんな中で、11月14日水曜日、日本のアニメーションを題材にした講演会が開催された。
この講演は、ハリウッドの映像関係者を対象とした掘り下げた内容であり、非常に興味深い内容であった。その模様をレポートする事にしたい。
"Drawing from Japan: Anime and its Influences"
Presented by Academy of Motion Picture Arts and Sciences and the Academy Foundation.
Wednesday, November 14,2001
この日の講演は、ビバリーヒルズにあるアカデミー財団の試写室で行われたが、会場は満席になる程の盛況ぶりで、ハリウッドの映像関係者が日本のアニメーションをかなり意識している事が覗える。
会場には、ハリウッドのCG関係者も多く、リズム&ヒューズのジョン・ヒューズ社長の姿も見られた。
講演は、日本のアニメーションをカテゴリ別に分類し、各カテゴリに沿った著名アニメ作品のフィルムを短く編集したものを上映。ゲストがそれについてコメントを述べる、という洗練されたスタイルで行われた。
この講演に参加して「ハリウッドの映像関係者」の視点から見る「ジャパニメーション」に対する価値観や印象が非常に良くわかり、なかなか興味深いものがあった。
では、その内容を簡単にご紹介しよう。
〇カテゴリ1:アメリカに上陸し、一躍有名になった作品
上映作品: Astro Boy(1963)
Akira(1988)
(アトムがスクリーンに映った瞬間、場内からは拍手が起こった)
司会者のコメント:
「“アトム”の登場は、とても衝撃的だった。
この作品は残在、“ポケモン”を例外にすれば、アメリカで一番有名な作品だと思う(笑)
それまでのアメリカの典型的アニメとは全く違うストーリーのリズム、オリジナリティのあるデザイン・センス。
手塚氏はディズニーの多大な影響を受けたというが、その手塚氏の作品が日本の国内外に大きな影響を与えた事も、また事実である」
〇カテゴリ2:ストーリー・テリングに長けた作品
上映作品:My Neighbor Totoro (1988)
Porco Rosso (1992)
Princess Mononoke(1997)
スタジオ・ジブリの作品群の中から3作品のクリップが上映された。
特に“トトロ”は、観客にバカ受けで、サツキとメイがトトロに初めて出会うシーンでは、場内は大爆笑であった。
“紅の豚”の、飛行艇乗りが集うレストランに現れたポルコのシーンでは、ポルコの表情の変化に観客は一喜一憂していた。
“もののけ姫”では、キャラクターが持つ生き生きとした表情と、迫力ある闘いのシーンに、観客は圧倒されていた。
アニメーター/ディレクターのEric Goldberg氏のコメント:
「これらは、クラシックなディズニー・アニメとは全然違う。
キャクターの表情が素晴らしい。特に“トトロ”の2人の女の子の表情は、セリフ無しで動きだけでストーリー・テリングを行っている。また、絵のデプス(奥行き感)等のレイアウトが非常に素晴らしい。
宮崎氏はアメリカの作品の影響を受けているだろうか?いや、逆に我々が、宮崎氏の影響を受けているのが実情ではないだろうか。
ストーリー構成のスタイルは日米では全然違う。特におとぎ話は顕著だ。しかし、文化の違いはあっても、受ける感動は同じだ」
〇カテゴリ3:大人向けのバイオレンス作品
上映作品:Wiked City(1987)
Perfect Blue(1997)
Ghost In The Shell(1995)
映画"Spawn"の監督Mark Dippe氏のコメント:
「有名な“アキラ”は、言ってみればとても“映画的な作品”だと、私個人は思っている。
また、ジャパニメーションでは、女性キャラが神秘的なパワーを秘めている事が多いように思う。
日本のコミックの多くは大人向け。アニメも子供向けでない作品が多い。
アメリカではアニメは[子供向け=ディズニー]だが。
アニメではないが“鉄男”では複雑なクリーチャーが登場し、私が"Spawn"を監督した時は、ずいぶん影響されたものだ。
総じて日本の作品は、アメリカ人からすると、複雑で奥深い。
“もののけ姫”もそうだが、画面で何が起こっているのか、良く理解出来ないにしても、何か引きこまれる魅力がある」
〇カテゴリ4:“日本ならでは”の日本文化カラーが強い作品
上映作品:Pompoko (1994)
Grave Of The Fireflies(1988) 注:蛍の墓
Princess Mononoke (1997)
国際的な映像プロデューサー、Lisa Atkinson女史のコメント:
「今上映された作品は、日本ならではのエスニックなアイデアをテーマにした、典型的な例だ。
日本とアメリカのアニメの製作スタイルは、私の知る限りかなり近いものがある。大きく違うのは製作予算だろう。
アメリカのコミックには、必ずと言って良い程ヒーローが登場するが、日本の場合はどちらかと言えばドラマが多い。
また、日本では習慣として、女性は自分を押さえて男性に尽くすべきという姿勢がある。しかし、性格的な観点では、日本の女性は、実は内面に強力なパワーを秘めている。
それが、日本のアニメ作品の女性キャラに現れていると、私は考えている。」
〇カテゴリ5:マニアックなコテコテの作品
上映作品:Blood: The Last Vampire(2000)
The Adolescene Of Utena(1999)
日本からのゲスト:
Mistuhisa Ishikawa氏(プロダクション I.G.の創設者で
プロデューサ)のコメント:
「プロダクション I.G. には、ディズニーが大嫌いな人間ばかり集まっている。(場内爆笑)
日本のアニメには、子供に有益な作品と、有害な作品の2種類がある。プロダクションI.G.が製作しているのはどちらかと言えば、有害な作品である。(場内大爆笑)
でも、自分には2人の娘がおり、娘達に見せても決して恥ずかしくない作品を創っている、という自負はある。
幼少の頃に理解出来ない内容でも、成長してから鑑賞すれば、かならず分ってもらえるのでは、と思っている。
私がこれ迄に仕事をした事がある、日本の著名なアニメ監督達に共通しているのは、全員、変態だという事。それも、社会的に見ると落ちこぼれのような人が多い。
(場内大爆笑)
しかし、人々は皆、ストレスを抱えて、それを押さえて生活しており、バイオレンス的なアニメを見て、そのエネルギーを発散させているという考え方もある。
(ここで、場内から拍手が起こる)
だから、著名なアニメ監督達は、社会的には烙印を押されるような人でも、そういう事をよく知っているので、それを上手く作品に現す能力を秘めているのだと思う。」
Kunihiko Ikuhara氏(セーラームーンR)の監督
のコメント:
「アメリカはディズニーブランドのせいか、アニメーションは特別なものだ、と思われているように感じる。日本ではアニメーションは非常に一般的で、特別なものではない。
事実、日本の映画の興業成績も、その多くはアニメ作品で占められているのが現状だ。
日本とアメリカの映画の違い?僕から見れば、ハリウッド映画は、まるでラスベガスのショーを見ているような感じ。
NYで作られているような独立プロの映画や、ヨーロッパの作品は日本のそれに非常にかなり近い気がする。
先程、“日本のアニメによって、太平洋戦争等を日本人の視点から正しく描いた作品をもっと作れば良いのでは?”という質問が出たが、僕は、“現実を正しく描いた”という作品は、そもそも存在しないと思う。
ドキュメンタリーにしても、カメラマンの主観が入るし、戦争映画等も特撮を駆使しているだけで、現実とは違う。
映画“パールパーバー”を映画館に観に行く観客が、果たして真実を知りたくて映画を観ているだろうか?
(ここで、何故か場内から拍手が起こった)
僕は違うと思う。」
〇カテゴリ5:ベテラン作家が新しい視点で製作した新作
上映作品:Metropolis(2001)
Spirited Away(2001) 注:千と千尋の神隠し
新作である「メトロポリス」のオープニング部分と、「千と千尋の神隠し」の予告編が上映された。観客からは、しきりに感心する声がもれていた。
この2作品が上映されて、講演は終了した。
日本のアニメを異質で特殊な「オタッキー」なもの、として捕らえるのではなく、様々な視点から正確に分析する形で行われたこの講演は、参加者にとっては(特に偏見を持っていた参加者には)非常に新鮮に感じられたのではないだろうか。
「天下の」アカデミー財団がこのような講演を開催した事に、筆者は大きな意義を感じた。
ビデオやDVD等による日本のアニメ作品の海外進出は目覚しいものがあるものの、全米の映画館での配給と、メジャー公開に漕ぎ付ける事には、まだまだ非常に大きな壁がある。
しかし、この講演のように、ハリウッドの映像関係者がジャパニメーションを「正しく理解する」という機会は、非常に重要だと思う。
今後も、このような有益な講演が開催される事を期待したい。
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