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画像:昨年の第7回VESアワード受賞式の模様から
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ハリウッドに拠点を置くVES(Visual Effects Society/全米視覚効果協会)は、来る2月28日(日)ビバリーヒルズにて華々しく開催される予定の第8回VESアワード授賞式に向けて、その受賞作品の候補となるノミネート作品を発表した。

全24カテゴリーのノミネート作品をここでご紹介すると、1ページに表示できる文字数を完全にオーバーしてしまうので割愛するが、こちらでノミネート作品一覧を閲覧する事が可能だ。

今年は日本からの作品応募が複数あったものの、残念ながらノミネートには至らなかったようだ。

しかし、ハリウッドで活躍する日本人アーティストがノミネートされたり、その参加作品がノミネートされる等、嬉しい話題もあるので、今回はそれをご紹介する事にしたい。

例えば、デジタル・ドメインの坂口 亮氏は、"Outstanding Created Environment in a Feature Motion Picture"部門のカテゴリにおいて、映画「2012」のロサンゼルス破壊シーンで、デジタル・ドメインのスーパーバイザーらと連名でノミネートされた。

Outstanding Created Environment in a Feature Motion Picture

 2012 - Los Angeles Destruction
 Haarm-Pieter Duiker, CG Supervisor
 Marten Larsson, CG Effects Animation Lead
 Ryo Sakaguchi, CG Effects Animation Lead
 Hanzhi Tang, CG Lighting Supervisor


また、アウディのテレビ・コマーシャル「AUDI - Intelligently Combined」が"Outstanding Visual Effects in a Commercial"部門でノミネートされたが、この作品にモデリング・アーティストとして参加したのが、本欄でもご紹介した事がある「新人」モデラーの成田昌隆氏だ。

このコマーシャルは、現在Method Studioに所属する成田氏が、昨年のデジタル・ドメインとの契約時に手掛けたもの。

成田氏は車のパーツのモデリングと配置、Vrayによるルックデベロプメント、ライティング等を担当。ルービック・キューブ状にほぼ手作業で配置したパーツは250種類729個に及んだという。

上記以外にも海外のプロダクションで活躍する日本人アーティストが関わった作品は数多くノミネートされており、非常に喜ばしい限りである。

これらのノミネート作品は、2月に世界中のVESメンバーによるオンライン投票によって受賞作品が選出され、その受賞作品は2月28日(日)センチュリー・プラザ・ホテル (ビバリーヒルズ)にて開催される第8回VESアワード授賞式にて表彰される予定である。

今年の授賞式では、ジェームズ・キャメロン監督がVESより特別賞「生涯功労賞」を授与される事も決定しており、映画業界著名人らも多数来場し、例年にない盛り上がりをみせる事が期待されている。


※VESとは

VESは「Visual Effects Society」の略。全米監督協会、脚本家協会、俳優協会等と並ぶ、ハリウッドの数ある映画ギルドの1つである。

日本語で言うと「全米視覚効果協会」という事になろうか。

VESは、ハリウッドを中心とする映画&テレビ等の映像業界におけるビジュアル・エフェクツ(VFX)、つまり視覚効果産業に従事するプロフェッショナル達で構成される、「VFXのプロの、プロによる、プロの為の協会」である。

協会の設立は97年。現在の会員数は海外のメンバーも含めて1600人以上という規模を誇る。メンバーは年々増え続けており、世界最大規模のエフェクト業界のギルドである。

会員になるには、最低5年間の現場経験を有する事が条件とされている。しかも入会の際には現役会員2名の推薦&署名が必要とされ、最終的には年2回だけ行われる理事会の承認が得られないと正式には入会出来ない。それ故に、会員は世界のVFX界において活躍しているプロばかりで構成されている。


関連記事:

坂口亮氏/デジタル・ドメイン アカデミー賞 科学技術賞を受賞(02/10/2008) 

[CGワールド12月号] 46才の新人モデラー 成田昌隆氏(11/12/2009)
 

 

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