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Houdini 11 リリース記念イベントが開催


7月27日、SIGGRAPH会場からほど近いダウンタウン・ロサンゼルスにあるクーパー・デザイン・スペースにて、Houdini 11リリース記念イベントが開催された。言うまでもなく、Houdiniは、ハリウッドのエフェクト制作における必須ツールである。それを裏付けるかのよ うに、本イベントにも参加希望が殺到、オンライン事前受付はあっという締め切られるという、さすがの盛況ぶりだった。

SIGGRAPH恒例のHoudiniイベントはさしずめ同窓会

クーパー・デザイン・スペースは、シーグラフ会場のダウンタウン・コンベンション・センターから車で10分以内の場所にあるイベント・スペースである。この場所で、当日朝にリリースされたばかりのHoudini 11リリース記念イベントが開催された。主催は、開発元のサイド・エフェクツ・ソフトウェア/Side Effects Software。 イベントではHoudini 11新機能の紹介に加え、ユーザーの制作事例のプレゼンテーション、最後に懇親パーティが行われた。 なお、場内でアルコールが供されるため、アメリカ合衆国青少年育成条例に則り「21歳未満は入場禁止」(アメリカの法律では、飲酒は21歳から)という大 人向けのユーザーイベントとなった。Houdini業界は広いようで狭い。場内に入るとあちこちに知った顔が見える。フロアはまるで同窓会のような雰囲気 で、あちこちでハグして肩を叩き合ったり、久しぶりの再会に会話を弾ませる光景が見られた。

毎年、シーグラフの際に配布されるHoudini公式Tシャツは、我々ハリウッドのHoudiniアーティストには生活必需品である。新しいデザイ ンのTシャツを着てスタジオへ出勤し、お互いに見せびらかしては自慢し合う行為は夏の風物詩として定着している(冗談のように聞こえるかも知れないが、事 実だ)。今年は、Houdini 11のロゴがバックに入り、フロントは異なった数種類のデザインから、自分が好きなものを選ぶことができた。このTシャツは、毎年SIGGRAPH会期中 に行われるのユーザーイベントに参加しないと手に入らない、貴重なもの。その他にも、本イベントのオフィシャル・スポンサーはATI(AMD)が務めてお り、参加者の中から抽選でATIのFireProシリーズが当たるという、豪華なプレゼントも実施された。

レンダリングの高速化とリアルタイムプレビューへの対応

開場からほどなくプレゼンテーションがスタート。駆け足だが、Houdini 11の新機能・強化機能の中でも特に目を引いたものを紹介したい。
ま ずは、「FLIPソルバー」だ。FLIP/Fluid Implict Particleソルバーは、従来のSPH/Smoothed Particle Hydrodynamicsソルバーのなんと約70倍もの高速化を実現したという。ちなみに、SPHソルバー自体も約2倍、高速化されたそうだ。次に、 「ダイナミック・フラクチャリング・ツール」。これは、ダイナミクス・シュミレーション時に、破片が自動的に生成されるツールであり、映画『2012』で も使用されたボロノイ・ベースのアルゴリズムによって、破片を自動生成するものとのこと。そして、Mantraレンダリング・ワークフローの強化。最新版 では、ビューポートからライティングをリアルタイムに調整できるようになった。Mantraによるライティングは、意外にもハリウッド映画の中ではよく使 用されている。特にRenderManの使用経験を持つテクニカル・ディレクターやライティング・アーティストには、親しみやすいシェーダ・ストラク チャーになっている。

その他にも、PBR/Physicall Based Renderingやサブサーフェス・スキャタリング、ライト毎のパス出力を実現、シェーダ構築環境の改善やユーザーインターフェイスの改良、GPUサ ポートのハードウェアレンダリングの強化などが含まれており、現場ニーズに応えた改良となっているのが嬉しい。また、上述のMantraのレンダリングの 高速化に加え、ダイナミクス計算の高速化など、アルゴリズム全般の改善により、総合的なパフォーマンスが改善されているようだ。詳細についてはSide Effects公式サイトを参照のこと。近日中には、インディー・ゾーンが運営する日本語サイトでも詳細が公開されるはずだ。



 

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