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 日米同時公開されたフルCGアニメーション映画「くもりときどきミートボール」(原題:Cloudy with a Chance of Meatballs)が、9月18日から全米3,119館で公開された。業界関係者からも注目をされていた「ミートボール」だが、蓋を開けてみると、公開 最初の週末のボックスオフィスでいきなりNO.1に輝き、関係者を安堵させた。

 「くもりときどきミートボール」(以降、「ミートボール」と表記)は、Sony Pictures傘下のアニメーション・スタジオであるSony Pictures Animation
(以降「SPA」と表記)による4作目の長編アニメーション作品。同スタジオが制作した長編CGアニメーション映画には「オープン・シーズン」「サーフズアップ」「オープンシーズン2」(DVDリリースのみ)がある。

 この「ミートボール」は、実はロサンゼルスのCG&VFX関係者がひそかに見守っていた作品でもあった。
 なぜなら、SPAの姉妹スタジオであるSony Pictures Imagworksは、昨年秋に大規模なレイオフを実施し、今年に入ってからは役員の入れ替えが行われるなど、リストラと社内体制の見直しなどが進められてきた経緯がある。SPAもまた同様であった。

 この作品の現場にいた筆者の友人によると、プロジェクトが後半にさし掛かると、フリーランス・アーティストを対象に、なんと「履歴書の書き方&デモリールの作り方」教室がスタジオ内で実施されたそうだ。

 次のプロジェクトへの配属を期待していたフリーランサー達は「これが終わると、さようならか」とタメ息をついていたそうである。

 従って、「この作品の売り上げが、SPAの今後を左右するのではないか?」という憶測が業界内部では広まっており、公開直後のボックス・オフィスの結果に、自然と注目が集まる結果になった訳である。


<<公開2カ月で99億円相当の売り上げに>>

 公開最初の週末のボックスオフィスでいきなりNO.1に輝き、関係者を安堵させたと伝えたが、最初の週末の売り上げが$30million(約29億円 相当)は、ハリウッド映画としては比較的少ないほうの数字だ。しかし、第1位を獲得しており、他の興行成績はそれ以下ということからすると、「この週末は 人々があまり映画館に足を運ばなかった週」である事もまた事実。その意味では素直に喜べる結果となった。

 続く、公開第2週目である9月26日の週末にも、「ミートボール」は第1位を維持し、ここでも$24million(約21億円相当)相当を稼ぎ出し、10月末の段階でトータルのグロスは$108million(約99億円相当)となった。
 制作費は推定で$100million(約90億円相当)とされており、この時点で採算が完全に取れた事になる。

 ちなみに、SPAの過去作品における公開最初の週末の売り上げは、「オープン・シーズン」が$23.6million(約21億円相当)、「サーフズ アップ」が$17.6million(約16億円相当)だった点からすれば、新作「ミートボール」はまずまずの成功と言えるだろう。


<<IMAXシアターを含む3D立体上映が人気 「立体はお金になる」>>

 「ミートボール」は全米のシネコンにおいて、立体版と非立体版の両方で上映が行われている。ロサンゼルス市内にあるIMAXシアターを併設するシネコンでは「An IMAX 3D Experience」という触れ込みで、IMAX立体上映が人気を呼んでいる。

 ご存知のように立体上映はハリウッドでも「大流行」しているが、今回の立体上映が、「ミートボール」の集客の大きな後押しとなっているのは間違いない。

 「立体作品はお金になる」という、この動きに今後もますます拍車が掛かる事だろう。


 余談であるが、公開最初の週末の朝、筆者がチケット売り場に並んでいたところ、病院の夜勤明けとおぼしき中年の女性看護士が、青い看護服のまま列に並び、チケット・カウンターの係員とこんな会話をしていた。

 「『ミートボール』が観たいんだけど。次のIMAXの回まで2時間?この後すぐ始まる回は立体じゃない訳ね。
  …じゃ、やっぱり立体で観たいから、今日は諦めて明日にするわ』。

 やはり、「どうせなら観るなら立体で」というのが心情だろうか。立体映画ビジネスの一面を、この光景から垣間見たような気がした。


<<家族揃って楽しめる作品×3D>>

 筆者が映画を観た感想だが、家族揃って楽しめる内容に仕上がっていると思う。

 「空から食べ物が降ってくる」というある種アメリカン・カルチャー的な発想は、「食べ物を粗末に扱ってはいけない」という日本の道徳観点にはやや反する かもしれないが、アイスクリームやハンバーガー等、子供達は大好きな食べ物が降ってくるのをみて、きっとワクワクするに違いない。
 また、この作品は立体で観ると臨場感が増すので、是非ともお近くの立体上映館か、IMAXシアターへ足を運ばれる事をオススメしたい。ファミリーでお楽しみ頂きたい作品である。

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(C)1997-2009 All rights reserved  鍋 潤太郎 


 


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